サービス・商品人工知能(AI)と量子コンピュータを組み合わせたクラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS」(マゼランブロックス)を開発・提供するグルーヴノーツ(福岡市中央区)は1日、量子コンピュータを用いて物流・配送業務を最適化する「マゼランブロックス物流最適化ソリューションセット」を発売すると発表した。
同社の「物流最適化ソリューションセット」は、量子コンピュータによる組合せ最適化モデルや業務機能があらかじめ組み込まれており、配送先やドライバー、配送車の情報を入力すると、現場の各種条件を考慮した上で、積載率を最大化し、配送距離・時間を最小化するルートを自動的に導き出す。
これにより、積載率・実車率・稼働率の向上が見込まれるほか、配送ルートや業務の効率化、物流コストやCO2排出量の削減などが期待できるという。
物流業界では、新型コロナウイルスによるECの拡大と小口配送の急増によって、人手不足や環境問題が重大な局面を迎えている。これらの課題を解決するためには、「誰が、いつ、どのトラックで、どの荷物を、どのルートで配送するか」という配送パターンの組み合わせを緻密に分析し、最も生産性の高い配送計画を素早く作成することが求められるが、その複雑さは通常のコンピュータの処理能力では計算しきれないか、計算できても大きな誤差が生じてしまう。
同社によれば、「組合せ最適化問題の解決に長けた唯一の実用化技術が量子コンピュータ」で、同社のクラウドプラットフォームは「難しい技術を誰でもシンプルに使えること」をコンセプトに開発。個人向け宅配事業の実データを用いた効果検証では、従来に比べ配送経路を50%削減する結果が確認されているという。