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EC返品の新サービス、ローソンの物流網活用

2019年3月25日 (月)

ロジスティクス三菱商事とローソンは25日、ローソンの「配送後の戻り便」を活用し、レンタル商品やEC商品の返却や返品を受け付けるサービス「SMARI」(スマリ)を4月1日から東京都内のローソン100店舗で開始する、と発表した。立ち上げ段階ではエアークローゼットが展開するECサイト「air Closet」(エアークローゼット)、ロコンドの「LOCONDO.jp」など3ECサイトが参画するほか、ナスタが専用ボックスの供給を受け持つ。

レンタル・シェアリングサービス、返品無料といった付加サービスを提供するEC事業者が増加するにつれ、レンタル商品やEC商品の返却・返品数も増え続けているが、こうした傾向が物流面で深刻な課題になりつつあることから、三菱商事は「宅配に関する社会課題の解決」につながる取り組みとして、ローソンと協業してサービスの設計、開発を行った。

利用方法はシンプルで、顧客が対象サービスのECサイトで取得したQRコードを、ローソン店内に設置された専用ボックスにかざして読み取ると、ボックスのドアが開錠され、同時にラベルも印刷される。続いてラベルを対象商品に貼り付け、再び専用ボックスに入れてドアを閉めることで、返品作業が完了する。

全国に1万5000店舗を展開するローソンでは、専用配送センターから多い日で1店舗あたり7-8回商品を納品しており、18年3月にはこの物流網を活用した「ローソンフレッシュピック」のサービスを開始、東京都と神奈川県の1600店舗で現在も提供している。

今回のサービスも、既存の物流網のうち「納品後のトラックの戻り便」を活用し、専用ボックスに入れられたレンタル品やECの返却・返品商品を、ドライバーが回収するもので、「既存の物流網を活用するため、新たな人員の手配の必要がない」(三菱商事)。また、専用ボックスの利用だけで返品作業が完了する仕組みとしていることから、店舗は「返品に伴うレジ作業時間」の削減を期待できる。

利用者のメリットは、宅配便の返品伝票への記入や店舗でのレジ待ちの手間を省くことで短時間で返品しやすくなること。裏を返せば、EC事業者は返品方法の多様化による顧客満足の向上を期待できるということになる。ラベルには住所、氏名などの個人情報は印字されず、プライバシーが保護された状態で返品配送を行う。