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日本の貿易「停滞」の見通し、DHLが報告書

2019年7月8日 (月)

調査・データDHLは8日、日本の貿易が6月から8月にかけての3か月間に「停滞」するとの見通しを明らかにした。同社がまとめた「DHLグローバル・トレード・バロメーター」報告書で言及した。

報告書によると、日本の貿易は6月からの四半期に2015年以来、初めて停滞する見通しだという。この予測は、同社が人工知能やビッグデータを駆使して算定する「国際貿易成長に対する早期指標」によって明らかになったもので、日本の貿易成長率は8月にかけて低下傾向が加速する。

DHLグローバルフォワーディングジャパンの社長で北アジア南太平洋地区CEOを務めるチャールスカウフマン氏は「日本は進行中の米国と中国の貿易摩擦の両方にさらされており、自国の貿易見通しに大きな打撃を受けているように見受けられる。5月に中国向け輸出が10%減少し、予想外の伸びを示した4月から輸入が減少したため、全体の輸出は8%近く減少している」と指摘。

日本企業が置かれた事業環境について「国際貿易情勢の不安定と不確実性が継続していることに加え、米中対立の関税措置にも間接的に晒されていることから、日本の主要製造業は以前にも増してより慎重な姿勢を示している」と話してた。

航空・海上輸送量はいずれもほぼゼロ成長に減速する見通しで、航空輸出は資本設備・機械、ハイテク製品、化学品・製品、機械部品、海上輸出では工業原料、陸上車・部品が大きく増加するにとどまる見込み。航空輸入の減少により、航空貿易全体の見通しは11ポイント低下するが、航空輸出は比較的堅調を維持、海上貿易は縮小する。

同社がこの「バロメーター」による予測を開始したのは18年からだが、6-8月は世界全体の貿易見通しも初めて「微減」となる見通しだ。