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格付けジャパン研究機構調べ

道路陥没対策、最も先進的な政令市は堺市

2019年7月16日 (火)

話題一般財団法人格付けジャパン研究機構(東京都千代田区)は16日、全国20の政令市と東京23区を対象とした道路陥没対策ランキングを公表した。政令市では堺市が31ポイントでトップ、大阪市と福岡市が30Pで2位、京都市、仙台市、広島市が27Pで4位となった。東京23区では大田区が26Pで1位だった。

このランキングは、道路陥没を防ぐための路面下空洞調査を実施しているか、「実証方式技術コンペ」による発注方式を行っているか、コンペ結果と整合性のある評価方法になっているか――の3項目をベースに、国土強靭化地域計画の中で道路陥没対策に関する記述があるかどうかを加点ポイントとして作成したもの。

道路陥没事故は過去に東日本大震災時の仙台市や熊本地震時の熊本市、北海道胆振東部地震時の札幌市など、緊急搬送車両が走行できないといった問題を引き起こしてきた。格付けジャパン研究機構によると、小規模のものも入れると2017年には全国で1万件程度発生したという。

今回のランキングでは、16-18年度の3年間に対象自治体による3項目の取組状況を調べ、国土強靭化地域計画の中で道路陥没対策に言及している場合は加点ポイントとして評価した。この結果、格付けジャパン研究所は「自治体によって道路陥没対策の取り組みに大きな差があることが判明した――と指摘。

先進的な実証方式技術コンペを導入している自治体がわずか15%(18年度)にとどまった一方、まだ路面下空洞調査自体を実施していないという自治体も政令市10%(同年度)、東京23区では30%(同年度)にも上った。

東京オリンピック・パラリンピック開催地で震度5以上の地震が発生した場合、これらの地区では深刻な道路陥没事故が起こり、命に関わる事故や緊急搬送、物流に甚大な影響が想定されることから、同研究所は「まだ取り組みの遅れている自治体は一刻も早く道路陥没対策を本格化してもらうことを期待する」「精度の低い路面下空洞調査を実施している自治体は的確な減災対策ができず、また公共予算の無駄遣いにもつながることから、実証方式技術コンペ導入をはじめとした、発注時の評価方法改善を期待する」などと提言している。