商船三井、AI数理最適化で配船･積み付け計画策定

ロジスティクス商船三井は9月30日、グループの商船三井システムズが大阪大学大学院の梅谷俊治准教授と共に、AI基盤技術の一つである「数理最適化」を活用して、従来よりも短時間で自動車運搬船の配船と貨物積み付け計画を策定することに成功した、と発表した。

数理最適化は、さまざまな制約条件を満たす解の中で最適な解を求める仕組みのことで、両者の研究では、膨大な組み合わせから効率的に計画案を求めるアルゴリズムを開発し、これを実現した。

自動車運搬船の配船と積み付け計画は、自動車メーカーをはじめとする荷主の多様な要望が入るため、同社が保有する100隻をいつ・どこに配船し、1隻あたり5000台の積み付けをどの順番で船内デッキのどこに配置するかが効率的な輸送の鍵となる。

積み付け計画は荷役の安全性と作業効率に関わるだけでなく、航海中の船体バランスにも関わるため、複数港で積んで複数港で揚げるようなケースでは難易度が上がり、担当者の熟練度によっては作成に時間を要していた。

今後は開発したアルゴリズムの適応性を見極め、急な輸送量の変更や寄港順の変更にも迅速に回答することを目指し、サービスの改善を図るという。