キヤノンと日本電産シンポ、次世代AGVで協業

サービス・商品キヤノンは5日、ガイドレス方式の次世代自動搬送台車（AGV）や自律走行搬送ロボット（AMR）分野で日本電産シンポ（京都府長岡京市）と協業を開始し、日本電産シンポが発売するガイドレス方式の次世代AGVに映像解析システムを提供すると発表した。

工場や倉庫などの物流業務でAGVなどの自律移動ロボットの需要が高まるなか、既存の磁気テープを用いるガイド方式のAGVや、ガイドレス方式で主流の2次元LiDAR（ライダー）によるSLAM技術を用いるAGVは、人が動き回ったりモノが増減したりと変化する現場に柔軟に対応することが難しいとされる。

▲Visual SLAM技術による映像解析イメージ（出所：キヤノン）

キヤノンが開発したビジュアルSLAM技術は「移動ロボットの眼」となるソフトウェア技術で、水平面・垂直面の幅広い画角で撮影されたカメラの撮影データを用い、周囲の環境の3次元情報とカメラの位置姿勢を同時に推定。レイアウト変化の多い現場でも柔軟に対応できる。

キヤノンは日本電産シンポと協業し、ビジュアルSLAM技術を含む映像解析システムを提供することにより、自動搬送台車「S-CART」の新シリーズ「S-CART-V」の製品化に貢献。日本電産シンポは、搬送重量100キロタイプの販売を皮切りに、ほかの機種でも段階的にシステムの搭載を進める。

次世代AGVの開発に際し、キヤノンと日本電産シンポは両社工場内で19年から試作機を運用している。