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軽油200円超が現実に、原油と円安の二重圧力

2026年3月9日 (月)

環境・CSR原油が90ドルを超え、100ドルの大台が目前に迫っている。為替も158円台まで円安が進んだ。本誌のシミュレーションでは、原油90ドル・為替158円で軽油は222円。原油100ドルで245円。危機前の145円から一気に跳ね上がった。軽油200円超の時点で中小運送事業者の経営はすでに厳しく、原油がさらに上がれば300円も視野に入る。燃料サーチャージの転嫁は待ったなしだ。(編集長・赤澤裕介)

燃料サーチャージ転嫁、待ったなし

原油90ドル・為替158円で、軽油はいくらになるか。本誌が3月3日付、7日付で使った試算方法で再計算した結果が以下の表だ。為替は3日付が149円、7日付が156円だったが、足元は158円まで円安が進んでいる。

▲原油価格と為替の変動による国内軽油価格の試算(クリックで拡大)

WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)90.90ドル・為替158円という今の組み合わせで、軽油は222円。危機前の145円から77円上がっている。野村総合研究所(NRI)の木内登英エグゼクティブ・エコノミストがベースシナリオ(原油87ドル)で警告した水準にすでに入っている。

原油が100ドルに乗れば245円。危機前から100円の上昇だ。大型車1台あたりの年間燃料費増は240万円規模になる。暫定税率の廃止効果(年間41万円)は昨年11月からの補助金ですでに実現済みで、ここから追加で下がる余地はない。

軽油300円を超えるのは原油120ドル前後からだ。本誌が3日付で試算した悲観シナリオ(軽油300-330円・業界の97%が赤字)に到達するのは原油130-140ドル。ゴールドマン・サックスが「来週にも100ドル超」と警告し、バークレイズが120ドルシナリオを示している。封鎖が続けば、数週間で視野に入る。

すでに原油90ドル台でも中小事業者には厳しい。全ト協の経営分析報告書によると、営業費用に占める燃料油脂費の構成比は全規模で14-15%。23年度時点で10台以下の事業者の52%がすでに営業赤字だった。軽油が222円になれば燃料油脂費は危機前の1.53倍に膨らみ、10台以下の赤字比率は7-8割に拡大する。2024年問題に伴う運賃適正化でようやく改善し始めた収益が、燃料費の急騰で食いつぶされる構図だ。

3日付の悲観シナリオ(軽油330円)では、10台以下の事業者の1者あたり赤字額が3077万円。年間売上高6521万円の半分近くが赤字になる計算だった。原油150ドルまで行けば軽油は359円、大手を含む全規模が赤字圏に入る。

為替の影響は原油価格ほど大きくない。原油90ドルで比べると、為替149円で211円、158円で222円。差は11円だ。効くのはやはり原油価格のほうで、原油が10ドル上がるごとに軽油は20-25円上がる。

ホルムズ海峡の封鎖が続く限り、軽油価格はこの表を下に向かって駆け上がっていく。軽油200円超はすでに現実だ。運送事業者は燃料サーチャージの荷主交渉を急ぐ必要がある。荷主企業も、物流コストの追加負担を織り込んだ予算の組み直しを迫られている。

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