国内昭和電工は8月31日、産業廃棄物処分業の許可を7月1日付で取得し、破砕成形された状態のプラスチック産業廃棄物の受け入れを開始したと発表した。原料ソースの多様化によって廃プラスチックのガス化事業を安定継続する体制を整えた。

▲KPR外観(出所:昭和電工)
国内で排出される廃プラスチックは毎年900万トンに上るが、再利用されるのは750万トンにとどまり、未利用のまま焼却処分や埋め立て処分されるものが142万トンあることから、廃プラスチックを原料に戻して再利用できるケミカルリサイクルへの注目度が高まっている。
同社は世界で唯一「ガス化」によるケミカルリサイクルの商業運転に長く取り組んできた実績を持つが、海洋プラスチック問題など廃プラスチックの高度リサイクルに対する社会的ニーズが高まる中、産業廃棄物処分業の許可を取得したことで、今後は安定的に廃プラスチックを確保できるようになった。
受け入れ拠点となるのは同社川崎事業所(川崎市川崎区)で、この事業所では2003年から容器包装リサイクル法に基づく使用済プラスチックを化学原料にリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル事業」を手がけている。
受け入れた使用済プラスチックは高温でガス化し、分子レベルまで分解して水素と二酸化炭素へ転換、低炭素水素は主にアンモニアの原料に、二酸化炭素はドライアイスや炭酸飲料向けに使用している。