アパレル日本通運は1日、電子タグ(RFID)と自社倉庫管理システム(WMS)を活用したハイファッション向け倉庫オペレーションを開始したと発表した。
ファストファッション向けの物流ではRFIDを採用している現場も見られるが、ハイファッションは複数の工房を使ったハンドメイドの生産が中心で、生産時に取り付けるのが効率的とされるICチップの取り付け作業が難しく、導入に踏み切る企業が限られている。
一方、購買層の若年化に伴いEC需要が高まっていることからオペレーション効率の向上が求められているとして、ハイブランド向け物流にRFIDを活用し、倉庫業務の効率化・省人化や新たなオペレーションによるサービス強化に向け、RFIDと連携した新たなシステムを開発した。
具体的には自社WMSに電子タグの識字機能を持たせ、中間ソフト(ミドルウェア)を介さないシンプルなシステム設計を採用。機器メーカーに依存せずに業務の流れを構築できるため、マテハン、システムは「従来のRFIDを使用したWMSよりも低いコスト」で実現。独自のRFID調達ルートを構築し、割安な価格で電子タグを導入できるよう調達面の課題もクリアした。
アパレル製品は少量多品種が特徴で在庫管理が複雑となるが、RFIDを活用することで、棚卸作業の効率を高めるほか、スマートフォン端末を導入して作業視認性の向上を図る。また専用アプリケーション開発に柔軟性を持たせ、素早い出庫オペレーションにつなげる。
今後はターゲットをハイブランドに定め、「自社店舗を持つ小売業全般」への展開を検討する。また、倉庫内オペレーションだけでなくファミリーセールなど催事場での棚卸代行、RFID棚卸システムのレンタル、店舗用・催事会場の防犯ゲートのレンタルサービスなどを開発。EC向け真偽判定(トレーサビリティ)機能の開発も視野に入れる。