国際マースクは12日(現地時間)、アジアと欧州を結ぶシー&レール輸送のウィークリーサービス「AE19」の容量を2倍に増やすと発表した。新型コロナウイルスによる輸送力不足を補うために週1回の運行スケジュールを週2回に増やすもので、現在の輸送需要が続く場合は毎日運行に切り替える計画も進めている。
AE19サービスは日本、韓国、中国の港とフィンランド、ポーランド、ドイツ、北欧の港間を近海の海上輸送と大陸間鉄道輸送の組み合わせによって提供する輸送サービスで、ドライ、冷蔵、危険物貨物を対象に西行きと東行きの両方をカバー。日中韓の港と極東ロシアのボストチヌイ港を近海航路で接続し、それに続くナホトカからサンクトペテルブルクまでをロシアの大陸間鉄道で輸送する。
輸送リードタイムは11日間で、サンクトペテルブルクとヘルシンキ(フィンランド)、ラウマ(同)、グダニスク(ポーランド)、ブレーマーハーフェン(ドイツ)、スカンジナビアなどの間は近海航路でつなぐ。同社とIBMが開発したデジタル貿易プラットフォーム「TradeLens」(トレードレンズ)に対応しており、「ほぼリアルタイムで関係する当事者のソースから直接出荷データを提供する」という。
同社のゾルトカトナ氏(東欧担当マネージングディレクター)は「パンデミックは欧州でいくつかの貿易ボトルネックを引き起こしたが、たとえば鉄道のコスト効率、信頼性を高めて貨物の多寡にかかわらず利用できる大陸間輸送手段に発展させ、フォールバックオプション(いざというときの代替手段)として顧客に高水準のSCM手段を提供することで解決できる。危機的な状況では決定的に重要な取り組みだ」と話している。

(出所:マースク)