国際BMWグループはこのほど、物流現場向け自律型搬送ロボットの開発を手がける完全子会社として、IDEALworks(イデアルワークス)社を独・ミュンヘンで立ち上げ、2020年末に次世代機の販売を開始すると発表した。
BMWグループでは、社内のいち部門として2015年から自律型搬送ロボットを開発し、グループ内の自動車生産拠点で130台以上を導入。ことし10月からは、さまざまな業種の現場で運用試験を実施し、「ロボットの堅牢性と汎用性の高さを証明できた」として、新会社の設立に至った。新会社は、さまざまな専門分野や国籍を持つ30人のエキスパートで構成されている。
社名のIDEALは、単独でも「理想的な」という意味を持つが、「I」(インダストリー)・「D」(ドリブン)・「E」(エンジニアリング)・フォー・「A」(オートマス)・L(ロジスティクス)という意味を込めたという。
年末に発売する自律型搬送ロボットは、「スマート・トランスポート・ロボット」(STR)と呼ばれるもので、重量1トンまでの貨物を自律的に運搬する。自律運行には、自己位置の推定と環境地図の作成を同時に行うSLAM形式を採用し、ロボット自身が理想的なルートを自律的に計算するため、ナビゲーション用の送信機を設置する必要がない。これにより、新しい環境でも調整に時間をかけることなくロボットを導入できるという。
同社は今後、「物流ロボットのプロバイダーの中で、トップ・プレイヤーとなることを目指す」としている。