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FedEx、ワクチン輸送に準備と国際協力不可欠

2020年12月9日 (水)

メディカルフェデックスエクスプレスは9日、アジア太平洋・中東・アフリカ(AMEA)地域社長を務めるカワールプリット氏のワクチン輸送に対する見解を発表し、温度管理の重要性と「史上最大のワクチン接種プログラム」に国際協力が不可欠であることを訴えた。

プリット氏は、新型コロナウイルスのワクチン輸送について「不確定要素が多く、複雑かつクリティカルな輸送業務となることが想定される」とし、「その規模、技術的側面、また手続き要件においても、この業務は非常に複雑になることは明らかだ」と釘を刺す。

(出所:フェデックス)

同社は過去10年以上にわたるインフルエンザワクチンの輸送実績があり、その過程で、厳しい温度管理の重要性を肌身で感じているという。世界保健機関(WHO)の研究では、毎年全世界で最大50%のワクチンが無駄になっており、その主な理由は温度管理が徹底されていないことと、低温度管理を途切れずに行う物流体制がないことに起因するとされる。

同社はこうした課題に対応するため、輸送ネットワークやテクノロジー、医療・製薬業界に関する知識、過去の輸送経験――を広範囲に組み合わせ、「ワクチンの輸送で果たすべき重要な役割」を担う準備を進めている。

(出所:フェデックス)

これまでに投資してきたテクノロジーと世界90か所に展開している温度管理輸送サービス施設を用いて、専門チームによる温度管理ソリューションやリアルタイム貨物追跡サービスを提供するほか、貨物機にドライアイスを搭載する能力も大幅に向上させた。また、今後は温度管理施設をさらに増設するほか、低温貯蔵ソリューションの新たな組み合わせも探っていくという。

一方で同氏は、ワクチンを目的地に確実に届けるためには、複数の関係者間で「高度な協調と協力が重要」だとし、その過程では医療専門家による指導も必要になると指摘。「関係者」には、物流事業者だけでなく、政府や製薬会社、医療従事者も含まれる。同氏は「全員がひとつの共通した目標に向かって結束し、協力することが求められる」とし、ワクチン輸送の方法論だけでなく、「その目的に注力し続けることが大切」だと訴えた。