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足立区の運送会社でクラスター発生、支店内勤11人

2020年12月11日 (金)

国内東京都足立区は10日、区内の運送会社「樋口物流サービス」関東支店で、新型コロナウイルスのクラスターが発生したと発表した。支店の内勤従業員11人が6日から9日までの4日間で感染したことがわかった。

5日と6日に4人の従業員が発熱などの体調不良を訴え、医療機関を受診してPCR検査を受けた結果、6日に1人、7日に残る3人の感染と新たに2人、8日に4人、9日に1人の感染が判明した。

クラスターの発生を受け、足立保健所が積極的な疫学調査を進めている。内勤の従業員全員のPCR検査を実施する方針で、区では「この事業者との連絡を密にしながら状況を確認する」としている。

また同社は、感染した従業員と濃厚接触者の行動履歴調査、健康観察を実施。関東支店では「必要最小限の営業を維持」しながら、内勤従業員を自宅待機とし、配送業務は「感染防止策を徹底しながら継続する」。検査未実施の内勤以外の従業員に対してもPCR検査を実施する考えで、「保健所の指導のもと、事業者として可能な限りの対応をしていく」としている。

初動と情報開示の好例

最初の体調不良者の医療機関受診・PCR検査から、当事者所属の営業所全員の感染の有無の把握まで5日間。6日目の正午に保健所からクラスター認定の情報開示。 営業所が所在する足立区の広報掲示には事態推移の時系列が開示されており、非常に的確で冷静な対応が好印象だ。

事実関係のみを簡素に記述することに徹し、余計な情報がないところも秀逸と評せる。 感染者の出た事業所の積極的な検査実施と情報提供が迅速な広報につながったことは間違いないだろう。ほかの自治体や事業者も素直に見倣ってしかり――の好例として推したい。(企画編集委員・永田利紀)