伝票完全電子化で削減効果年432万円、ツナグテ調べ

調査・データTSUNAGUTE（ツナグテ、東京都千代田区）は16日、物流業界で流通する紙伝票を電子化した場合の経済効果が年間3533億円に達するとの試算結果を発表した。

学識者の監修を受け、工場・物流センター・配送センターで紙伝票を扱う業務の従事者400人を対象に調べた。工場・物流センター・配送センターの業務従事者は1人につき1日40枚を処理し、2時間を費やしていることもわかった。

試算の前提は「運送業と倉庫業の紙伝票がすべて電子化された」場合とし、その経済効果は紙伝票作成の費用が191億3043万円、人件費が3342億3325万円で、合わせて3533億6368万円となった。1事業所あたりの経済効果は運送業、倉庫業ともに年間432万円。

調査を監修した宮本勝浩氏（関西大学名誉教授）は「物流業界では、陸路、海路、空路による輸送方法があり、陸路では道路輸送のほかにも鉄道輸送があるので、物流業界全体で紙の伝票がすべて電子化された時には、本報告書で計算した経済効果の数倍の経済効果がある」とコメントした。