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プロロジスが新サービス、まずは「千葉1」で

大規模な賃貸物流スペース最短翌日・最小143坪から

2021年3月1日 (月)

拠点・施設プロロジスは1日、マルチテナント型の賃貸物流施設「プロロジスパーク千葉1」内に、最短1週間から小スペースの賃貸に対応する新サービス「プロロジス・フレックススペース」の提供を開始した。短期利用可能なスペースを設けることで、繁忙期の一時的な増床ニーズ、閑散期の余剰スペースの転貸ニーズに対応する狙い。

1週間から3か月間の範囲で1日単位、最小143坪から物流スペースとして提供するもので、最短で翌日から利用できるようにする。従来の物流施設の賃貸借契約と異なり、敷金、水光熱費、原状回復費用、清掃費用といった諸費用を入居企業に課さず、契約プロセスを「可能な限り簡略化」(プロロジス)する。

(出所:プロロジス)

フレックススペース全体の1300坪を4区画に分割し、区画ごとにそれぞれ専用のトラックバースを利用することが可能。利用企業は、厨房を併設したカフェテリア、貸会議室、ワークスペース、コンビニエンスストアなど、プロロジスパーク千葉1の共用施設を利用できる。

区画利用者専用のセキュリティカードで入退場を管理するほか、ALSOK(アルソック)が提供する高精度な画像認識技術を搭載した防犯カメラを区画ごとに複数設置。施設内に有人オフィスを構える人材派遣会社のライクワークスが、1日単位から人材派遣や庫内作業を請け負うほか、物流受託事業のウィルポートがラストワンマイルの配送サービスを提供する体制を整えている。

プロロジスパーク千葉1は2019年9月に完成した地上5階建て、延床面積14万7000平方メートルのマルチテナント型物流施設で、東関東自動車道千葉北ICから3キロ、京葉道路穴川ICから4キロに位置。現在は満床稼働中だが、入居企業との合意により、賃貸借契約済みの余剰スペースを小規模・短期利用ニーズの企業に提供する。

新サービスの提供は11月末までとし、今後、他施設での展開も検討するとしている。

賃貸区画細分化への伏線とも思える

大規模倉庫の空き床については、威勢良い掛け声は鳴りを潜め、そろそろ余剰の実態が顕在化すると思われる。

その先行対策として小区画の短期貸しが盛んとなっているが、遠からず募集最小区画の細分化による小規模なテナント募集が積極化する、と予想している。

今まで高嶺の花だった最新の大型物流施設に、新興企業や中小EC事業者が入居できるようになることは、業界全体としては好ましいのではないだろうか。

与信等のハードルはあっても、保証会社などがサポートすることで、ディベロッパー各社も積極的にプランニングできるはずだ。

若い企業や、規模こそ小さいながらも個性的な事業者で賑わう庫内風景を思い浮かべれば、笑みがこぼれる業界人は少なくないと思う。(企画編集委員・永田利紀)