メディカルシップヘルスケアホールディングスグループの小西医療器は20日、医療材料物流拠点「大阪ソリューションセンター」が6月に本格稼働するのを前に、拠点内の最新設備を関係者に公開した。
同センターは「関西圏の基幹医療材料物流拠点」として昨年12月に完成したもので、無人搬送車(AGV)や自動倉庫、モーターローラー、RFID、自動梱包機、ラベル自動貼付システム、抗ウイルス液剤噴霧システムなど、「業界初」のソリューションを多数導入。小西医療器は「オープンイノベーションの場」として各メーカーの共同開発を推進し、「医療材料業界における最先端の取り組みを発信する起点」とするべく拠点開発を進めてきた。
同社グループでは、医療現場に対する物品の供給や、在庫管理、流通加工などを請け負い、必要なものを、必要なときに必要な分だけ医療機関に供給するサービスを提供していることから、入出庫作業や在庫管理に多くの人手と時間を要していたが、これらを最新設備で大幅に効率化。入庫作業では、ばんそうこう1枚から計量できる自動梱包機を導入し、小分け時に重量検品と入荷登録を同時に行うことで作業ミスを軽減する。
在庫管理ではRFIDラベル自動貼付システムを導入し、箱単位だけでなく、小分け単位でもすべての医療材料にRFIDタグを取り付け、RFID読み取り機能を備えた在庫棚を用いて「24時間常時棚卸し」を実現。在庫管理の精度を上げ、出荷ミスを未然に防止する。
最も多くの人手と時間を要していたピッキング・出荷作業では、無人搬送車(AGV)を導入してパレット自動倉庫と連携。イトーキが開発した専用棚は、AGVとパレット自動倉庫の両方に対応しており、無人搬送車が自動倉庫から専用棚を受け取り、ピッキング作業者のもとへ自動搬送する。自律型協働ロボットは、作業者をピッキング場所へ誘導するだけでなく、ピッキングした医療材料を瞬時に認識する機能を備えているため、「誰でも・簡単に・ミスなくピッキング作業を行うことが可能」だという。
また、小西医療器では新型コロナウイルスの流行を受けて、「物流業界で初めて」抗ウイルス液剤噴霧システムを導入し、医療材料の衛生管理にも配慮した。
同社は今後、関西圏域で受託する27施設・1万3500床分の医療施設へ運用を広げ、将来的にはグループ連携も視野に入れた運用施設の拡大を目指すという。