M&A古河電気工業は27日、物流子会社である古河物流(東京都千代田区)の株式66.6%を年内にもSBSホールディングスに譲渡すると発表した。今期(12月期)の売上高を3800億円と予想するSBSHDは、20年3月期に161億円を売り上げた古河物流を買収することで、4000億円台が目前に迫る。
古河電工が古河物流の3分の2の株式をSBSグループへ譲渡するのは、古河物流が情報通信、エネルギー、自動車向けの専門的な輸送を手がけながらも「総合物流事業者に比べて経営規模が小さく、古河電工グループの物流ニーズに十分対応できていない」との認識が背景にある。
SBSグループが総合物流事業者として国内外へと物流網を拡大し、積極的なM&A戦略を仕掛けて成長を続けてきた実績を評価したのに加え、SBSグループ入り後も古河物流の経営陣が留任するなどして事業の継続性を保つことで合意したことが安心感につながったものとみられる。
株式譲渡後も古河電工は古河物流の株式34%を保有し続ける方針。古河物流は古河電工グループとその取引先を主要荷主として維持しつつ、SBSグループ企業が持つ機能を組み合わせて古河電工グループの物流機能強化につなげる。
■古河物流の過去3年の業績決算期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 |
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売上高 | 157億8100万円 | 157億1800万円 | 161億6800万円 |
営業損益 | 9700万円 | 5300万円 | 6200万円 |
経常損益 | 1億1300万円 | 6100万円 | 4700万円 |
当期純損益 | 4700万円 | 3800万円 | 3100万円 |