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自動車事故調、名神大型トラック事故の報告書公開

2021年5月28日 (金)

調査・データ事業用自動車事故調査委員会(自動車事故調)は28日、滋賀県竜王町の名神高速道路で2019年6月13日に発生した大型トラックの追突事故(重要調査対象)の調査報告書を公開した。

この事故は19年6月13日13時10分頃、名神高速道路で居眠り運転の大型トラックが渋滞中の車列最後尾でほぼ停止状態にあった乗用車に追突し、3台が絡む多重衝突事故に発展したもの。

(イメージ画像)

運転者は眠気を感じたまま運転を継続したために居眠り運転となり、前方車両に気付くのが遅れた。また、一か月間の運行で休息場所は車中がおよそ半数あり、休息期間も不足して睡眠による疲労回復が不十分だったという。

さらに、運転者が所属する事業者は運行指示書を作成せず、運転者に休息や休憩場所を決めさせていたなど、運転者に必要な指示を行っていなかったこともわかった。電話による点呼を行う際は、運転者から電話がない限り点呼が行われず、健康状態の確認を含めて必要な運行管理を行っていなかった。

この事故を受け、自動車事故調は再発防止策として、運転者に対しては「乗務中に眠気が生じた場合、運転を継続せず直ちに車両を安全な場所に停止させる」ことを求めた。

事業者に対しては「改善基準告示に則した乗務管理を行うとともに、疲労回復のため車中以外の休息場所の確保にも配慮」すること、「運転者に対し、2泊以上となる運行を行わせる場合、運行指示書を必ず作成し、休憩地点、休憩時間を指定するなど適切な運行指示を行う」こと、「点呼を運転者任せにせず、点呼で運転者の疲労の程度や健康状態などを確認し、安全運行のための必要な指示を行う」ことが必要とした。