飯野海運、グリーンローンで57.6億円調達

財務・人事飯野海運は26日、国内の金融機関10社から、使途を環境改善効果のある事業に限定した「グリーンローン」による総額57億6000万円の資金調達を決定したと発表した。保有する飯野ビルディング（東京都千代田区）の建設事業費のリファイナンスに充てる。不動産ビジネスにおける環境対応を示すことで、持続可能な社会の実現を目指すとともに、企業価値の向上を図る狙いがある。

今回のグローンローンによる資金調達先は、みずほ銀行▽三井住友信託銀行▽三菱UFJ銀行▽三井住友銀行▽農林中央金庫▽日本生命保険▽常陽銀行▽信金中央金庫▽りそな銀行▽静岡銀行――の10社。飯野海運グループは2022年度を最終とする中期経営計画において、気候変動を重要課題の一つに位置付け、温室効果ガス排出量削減目標の策定やサステナビリティへの取り組みを推進しており、今回の取り組みもその一環だ。借り入れ期間は実行日である8月31日からの10年間。

飯野ビルディングは、大幅な省エネと快適性に配慮した仕様が特徴。オフィスフロアでのLED照明の全面採用するほか、空気から直接水分を除去・分離し適切な温度・湿度に調整して室内へ供給するデシカント空調を導入。ビル外壁に4面ダブルスキンを施すほか、エコボイドを利用した自然換気など最先端の技術を活用することにより、ビル全体のエネルギー消費量の削減を実現する。

（出所：飯野海運）

■「飯野ビルディング」の概要
所在地：東京都千代田区内幸町2-1-1
主要用途：事務所、商業、ホール、会議室、駐車場
敷地面積：8027平方メートル
延床面積：10万4000平方メートル
階数：地上27階、地下5階
構造：鉄骨造り（一部鉄骨鉄筋コンクリート造り）
完成：2014年10月