ロジスティクス日本郵船と日本製紙、相浦機械(長崎県佐世保市)の3社は9日、相浦機械が開発する世界初の木材チップ専用船向けクレーン自動運転装置の効果を確認したと発表した。荷役クレーン運転者の負担軽減に向けたもので、8月下旬に苫小牧港で荷揚げ試験を行い、荷役の7割程度を自動化できることを確認した。
木材チップの荷揚げ作業は、船上クレーン装置の一部である専用グラブで、貨物倉の木材チップをつかみ、上甲板に設置されている仮受け皿に投入する作業を繰り返す。一つの港で全貨物を荷揚げする場合、作業は数日間に渡る場合もあり、荷役クレーン運転者の負担が大きい。
今回の試験では、木材チップ専用船「グロウ・スリング」の船上クレーンに、センサーを装着したグラブを含むクレーン自動運転装置を搭載。クレーン運転者は、運転室内に設けられた自動運転操作盤で、あらかじめ定められた定型の荷役動作を選択し、4時間にわたって自動で荷揚げ作業を実施した。
クレーン運転者からは「ボタンを押せば誰でも運転ができ、使いやすい」「自動運転でも安全に荷役ができた」などの声が聞かれ、反応は上々だった。相浦機械は今後、製品化を進めていく。