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upr、物流機器の貸借売買マッチングサービス開始

2021年12月9日 (木)

サービス・商品ユーピーアール(upr)は9日、使用しない物流機器の貸借や売買を促すウェブサービス「RenRen」(レンレン)を始めたと発表した。

RenRenは使用していない物流機器を保有する企業と、必要としている企業をマッチングさせるサービス。物流機器を所有する事業者が、自社で物流機器を使用しない間に他の企業に貸し出したり、使用しなくなった機器を売却したりすることで、休眠中の物流機器を新たな収益源に変えることができる。

提供を受ける事業者にとっても、安価での物流機器の調達や購入を検討している機器の試験利用、業務の繁閑や一時的なニーズに合わせた柔軟な活用などのメリットがある。

▲サービスのイメージ(出所:upr)

ユーピーアールは「地球と人を尊重する会社」を企業理念とし、パレットレンタル事業の展開を通じたシェアリングの推進や、プラスチック素材の再利用をはじめとするマテリアルリサイクルなど、物流機器レンタル事業を通して持続可能な社会の実現に向けて取り組んできた。

レンタル事業を端緒とする事業拡大を検討するにあたり、国内の多くの企業が所有する物流機器のシェアリングに着目。今般の企業向け物流機器マッチングサービスを発案した。

ユーピーアールは、企業が保有する物流機器の有効活用を推進し廃棄される機器を削減することで、持続的な社会の実現に貢献していく。

「汎用的な部分は共有し付加価値の部分で差別化を図る」時代がやって来る

双方でメリットを共有し合うマッチングサービスが、物流機器の領域に広がってきた。こうした動きの背景として、物流現場における業務の繁閑差の拡大がある。ロボットなど先進機器を導入した企業が閑散期に他社に貸し出して収益を確保する。そんな時代が本格的に到来する予感がする。

消費スタイルの多様化や新型コロナウイルス感染拡大による宅配ニーズの高まりなどで、物流現場における物量増や小口化・多種類化が急速に進んだ。従来の物流業界の「常識」だった年末や年度末の繁忙期は、ひょっとしたら変わる可能性もある。繁忙状態が年中続くケースもあれば、季節に関係なく市場トレンドの推移に従って繁閑の差が発生するかもしれない。つまり、扱う商材によって荷物量の差が従来よりも大きく広がりそうだということだ。

(イメージ)

こうした事態が現実化すれば、変化にフレキシブルで迅速に対応できる現場力が求められる。そこで必要になるのが、ユーピーアールのサービスのような物流機器のマッチングサービスだ。もはや物流機器の多くは汎用品となり、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を統括する役目を担うのはプラットフォームになるからだ。

物流機器は相互に融通し合うことで、現場運営コスト削減のみならず環境負荷低減にも貢献できるとなれば、それをやらない手はない。汎用的な部分は共有し、付加価値の部分で差別化を図る。物流DX化のベースを成す考え方として定着していきそうだ。(編集部・清水直樹)