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センコーG、シンガポールの物流企業をグループ化

2022年2月1日 (火)

M&Aセンコーグループホールディングス(東京都江東区)は1日、シンガポールを拠点に国際航空・海上輸送を行うAir Planners(エアープランナーズ)の70%の株式を取得しグループ化したと発表した。

エアープランナーズは、東南アジア各国をはじめ17拠点の協力会社のネットワークを活用し、東南アジアや中国発の越境EC(電子商取引)物流向け小口貨物輸送に強みを持つ、シンガポールで有数の物流企業だ。

EC物流市場は、消費スタイルの多様化や新型コロナウイルス感染拡大に伴う宅配ニーズの高まりで近年飛躍的な増加を続けており、今後の市場拡大も予想している。

(イメージ)

センコーグループは、2017年にシンガポールのスカイリフト、18年にはタイのベストグローバルをグループ傘下に収めるなど、東南アジアにおけるフォワーディングサービスを拡充してきた。センコーグループは、このたびのエアープランナーズのグループ化を契機として、フォワーディングサービスの多様化や物流ネットワークをさらに充実させることにより、国際物流事業のさらなる拡大を図っていく。

センコーグループの国際航空輸送ネットワーク構築、国内勢が世界で存在感を示せるか

センコーグループホールディングスが、東南アジアにおける国際航空輸送事業への注力を強める背景には、経済成長の最中にある市場における膨大な物流需要を獲得することで、物流企業グループとしての生き残りを図る狙いがある。

エアープランナーズは、国際航空輸送を強みとする東南アジア有数の物流企業であるが、センコーグループが触手を伸ばしたのは、東南アジア諸国における協力会社のネットワークの活用を目論んでいるからにほかならない。国際物流は、複数の拠点間でネットワークを構築してはじめて機能するサービスだからだ。

(イメージ)

センコーグループは国際航空輸送ビジネスの展開にあたって、あくまで地域間輸送に特化したサービスを推進する戦略を掲げる。国際輸送の領域は、欧米企業が主導権を握り国内勢は事実上、後発に回っているのが実情だ。

センコーグループは、シンガポールでの足場の構築に成功したことで、今後の成長軸を構成する環境を整えた。これからは、いかに両社が連携もしくは機能分担をしながら国際航空輸送ネットワークを強化していくか。今後の展開に注目が集まりそうだ。(編集部・清水直樹)

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