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日本GLP、4番目の「ALFALINK」を東京・昭島で開発 

2022年2月14日 (月)

▲GLP ALFALINK流山の全体イメージ(出所:日本GLP)

拠点・施設日本GLP(東京都港区)は14日、大規模多機能型物流施設「GLP ALFALINK(アルファリンク)昭島」(同昭島市)を2024年4月に着工すると発表した。同社の物流施設ブランド「ALFALINK」は相模原(相模原市中央区)、流山(千葉県流山市)、茨木(大阪府茨木市)に続く第4弾で、都内では初めてのプロジェクトとなる。26年より順次完成し、全体の完成は28年から29年を予定している。

同社は昭島市で65万平方メートルの土地を取得。次世代の流通ネットワークを支える高度な物流施設を中心とした複合施設として、同市の産業基盤を拡充させるイノベーション拠点の創出を目指す。

施設での新たな雇用機会を創出することで地域経済に貢献するとともに、就労人口の増加によってもたらされる周辺施設の活性化も促す。共用施設や敷地の一部も地域に開放し、にぎわいある拠点づくりや、地域産業・先端産業との共創拠点となることを目指して、さまざまな取り組みを行っていく。

開発地には、同市を象徴するという「水と緑」をテーマに掲げ、環境保全を行いながら、周辺住民の憩いの場として、また、訪れた人たちも享受できるような「開かれた緑と歩行者ネットワーク」を整備。地域の防災拠点としての機能も担えるよう、防災備蓄倉庫の整備や避難場所としての開放なども今後、市や地域と協議していく。

▲帖佐義之社長

同社によると、同市が位置する東京西部地区は、対人口比で先進的物流施設の割合が低く、旺盛な需要が期待できる。国道16号と中央自動車道・首都圏中央連絡自動車道(圏央道)へのアクセスも容易で、広域配送とエリア配送どちらのテナントニーズも取り込むことのできる恵まれた立地だ。

JR青梅線「昭島駅」、西武拝島線「西武立川駅」からも徒歩圏内に位置しており、雇用確保の点においても優位性がある。

同社の帖佐義之代表取締役社長は、「業界をリードする物流不動産デベロッパーとして、地域の皆様や地域コミュニティーとの共生を実現して豊かな生活・環境づくりを推進してきた。本開発においては、企業や周辺地域から人が集まりコミュニティーやビジネス機会が創出されるような施設を軸としたまちづくりへの貢献を目指していく」とコメントしている。

首都圏での物流施設の開発競争、日本GLPは新たなピースを得られるか

日本GLPが、いよいよ第4弾のALFALINKプロジェクトに向けて動き出した。首都圏では東西に続いて、東京都昭島市を3番目の開発地に選んだ。首都圏でALFALINKクラスの超大型物件の開発となると、場所もそうそうあるものではない。圏央道の開通でにわかに産業立地が加速してきた東京西部に着目した日本GLPの戦略は奏功するか、注目が集まる。

首都圏戦略は、東西の交通適地をしっかりと固めた上で、新たな立地を模索してきた経緯がある。そのなかで、首都圏でも物流拠点の進出が相次ぐ圏央道沿線は、今後の首都圏における物流体系の方向性を考慮しても、どうしても欲しいピースであった。とはいえ、なかなかまとまった規模の面積で従業員確保が容易なエリアを探すのは容易な作業ではない。こうした条件を模索した「最大公約数」として白羽の矢を立てたのが、昭島だったのか。

確かに、東京西部における物流施設のポテンシャルは決して小さくない。むしろ、一定の産業集積のある土壌で、こうした巨大な物流施設が生まれることにより、首都圏における物流の勢力地図を変える力が生じる可能性もある。埼玉県域がクローズアップされがちな圏央道沿いの物流施設プロジェクトだが、東京西部が今後、注目されるようになるのは間違いなさそうだ。

「新しい生活様式」の時代を迎えて、先行き不透明ななかで物流施設の開発競争は今後も激しさを増しそうだ。(編集部・今川友美、清水直樹)