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SGHD新中計、EV導入など3年間で投資2150億円

2022年3月30日 (水)

財務・人事SGホールディングス(HD)は30日、2022年度から3か年のグループ新中期経営計画「SGH Story 2024」を発表し、今後3年間で電気自動車(EV)車両の導入などに総額2150億円を投資する方針を明らかにした。新型コロナウイルス禍や脱炭素化といった急速な社会環境の変化に対応するため、主力の宅配事業を基盤に宅配便以外のビジネス領域を広げる成長戦略を盛り込んだ。

▲宅配便以外のビジネス領域を広げる意向を示した(出所:SGホールディングス)

新中期経営計画の基本方針は、持続可能な成長の実現と次世代の競争優位性の創出が柱。25年3月期に営業収益は22年3月期比8.5%増の1兆6500億円、営業利益は15.1%増の1600億円、親会社株主に帰属する当期純利益は9.3%増の1050億円を目指す。30年度に向けた中長期ビジョンとして、営業収益は22年3月期比44.7%増の2兆2000億円を掲げた。

25年3月期のセグメント別では、デリバリーが営業収益1兆1240億円、営業利益1120億円▽ロジスティクスが営業収益4500億円、営業利益370億円▽不動産が営業収益150億円、営業利益60億円▽その他が営業収益610億円、営業利益40億円。

新中期経営計画では、重点戦略として「総合物流ソリューション(GOAL)の高度化」「競争優位創出につながる経営資源の拡充」「ガバナンスの更なる高度化」の3点を掲げる。総合物流ソリューション(GOAL)の高度化については、脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進▽TMS・3PLネットワークの拡充と周辺ソリューションの高度化▽国際・海外向けサービスの強化▽宅配便のサービス向上と効率化による収益性向上――の4項目を推進する。

競争優位創出につながる経営資源の拡充については、アライアンスを含めた国内外輸配送ネットワークの強化▽人的資本への投資及びエンゲージメントの向上▽DX(デジタルトランスフォーメーション)への投資による競争優位の創出▽オープンイノベーションなどによる新たな価値の創造――の4点を中心に取り組む。さらに、グローバル化に対応したガバナンスの構築やコンプライアンスの継続的な高度化を推進する。

(イメージ)

3か年の投資計画について、国内外の輸配送ネットワークを強化を目的とした中継センター構想など施設関連に1450億円、軽自動車をはじめとしたEV車両の導入開始など車両関連に350億円、IT関連に250億円、その他に100億円を予定する。センター新設や最新のマテハン機器導入による省人・効率化を推進し、宅配便は成長市場とみて事業基盤を固める。一方で、グループの事業会社がスタートアップ企業や異業種と連携することで、オープンイノベーションによる新たな価値創造と事業規模の拡大も見据える。

脱炭素化の目標では50年のカーボンニュートラル実現を念頭に、二炭素排出量を24年度に13年度比で15%、30年度に46%の削減に取り組み、50年度にゼロとする。具体的には、国内の物流倉庫を通さない「ダイレクト納品」による輸送距離の短縮や再生可能エネルギー施設の開発などを加速する。

同社は、22年度を最終年度とする現行の3か年中期経営計画についても総括。22年3月期の営業収益は1兆5200億円、営業利益は1390億円となる見込みで、9年間での達成を目指した経営目標は3年前倒しで実現したとしている。