ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

飯野海運、タンカー事業で収益が安定し増収増益に

2022年5月10日 (火)

財務・人事飯野海運が10日発表した2022年3月期連結決算は、売上高が前期比17.1%増の1041億円、営業利益が10.1%増の75億2400万円、経常利益が38.5%増の94億3100万円、親会社株主に帰属する当期純利益が63.6%増の125億2600万円で、7期ぶりの増収増益だった。

外航海運事業は、売上高が前期比19.1%増の825億4600万円、営業利益が16.1%増の28億6000万円で増収増益だった。大型原油タンカーは、支配船腹を長期契約に継続投入し安定収益を確保。ケミカルタンカーは、基幹航路である中東域から欧州・アジア向けの安定的な数量輸送契約に加えて、北アフリカからインド・パキスタン向けのリン酸液や、アジア域からの高運賃スポット貨物を積極的に取り込み採算を大きく改善した。

大型ガス船は、LPG(液化石油ガス)船、LNG(液化天然ガス)船ともに安定収益を確保した。LPGを推進燃料とすることにより温室効果ガスの排出量を削減できる初のLPG二元燃料主機関を搭載する大型LPG船も完成し、今後の収益への貢献が期待される。ドライバルク船は、専用船が順調に稼働し安定収益確保に貢献。ポストパナマックス型・ハンディ型を中心とする不定期船も、契約貨物への投入を中心に効率的な配船と運航に努め、収益の確保に寄与した。

内航・近海海運事業は、売上高が11.1%増の95億3500万円、営業利益は1.7%増の5億1300万円で増収増益だった。内航ガス輸送は、新型コロナウイルス感染拡大により民生用LPG需要が低迷しているものの、中長期契約に基づく安定的な収益確保と効率配船に注力した。近海ガス輸送は、夏までの市況軟化の影響を受けたものの、後半は堅調に転じた市況のもと採算は改善の兆しを見せた。

2023年3月期の連結業績は、売上高1120億円、営業利益70億円、経常利益70億円、親会社株主に帰属する当期純利益70億円の増収減益を予想している。