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矢野特殊、冷蔵ウイング車を披露/トラックショー

2022年5月13日 (金)

話題トラック架装メーカー「矢野特殊自動車」(福岡県新宮町)は、「ジャパントラックショー2022」の自社ブースで、発売を予定している大型冷蔵ウイング車の新型車「チルドウイングpharmaX(ファーマックス)」を披露した。現行車種より温度管理性能を高め、需要が増加する医薬品輸送用などとして提案していく。

▲展示された大型冷蔵ウイング車「チルドウイングpharmaX」

同社は日本で初めて機械式冷凍車を開発し、コールドチェーンを支え続けてきた冷凍・冷蔵車のパイオニア的企業。近年は冷凍・冷蔵の大型ウイング車の製造・販売に力を入れている。ウイング車は側面が大きく開く構造のため、外気が入りやすく、厳しい温度管理が求められる冷蔵・冷凍車には不向きとされていた。しかし同社は冷凍・冷蔵庫部分の機密性や断熱性を高めてこれを克服。高性能断熱材の使用により内壁の断熱層を最小にして庫内容積を広げ、効率輸送にもつなげている。

ファーマックスでは、現行のチルドウイングよりさらに機密性を高めて庫内温度のムラをなくし、温度管理面で輸送品質を高めた。現在、試作の最終段階に入っており、性能の最終確認と生産体制の構築を急ぎ、受注を始めたい考えだ。

同社はほかに冷凍用ウイング車なども手がけている。冷凍・冷蔵庫部分の架装は、国内トラック4社全ての車両に可能だ。

また、同社は同じ福岡県に本社を置く福岡運輸(福岡市博多区)と歴史的に長い協力関係を築いている。冷凍・冷蔵車事業にも福岡運輸のニーズに応える形で進出した経緯があり、ほかにも福岡運輸から様々なアイデアや提案を受けて実現し、ともに企業価値を高めてきた。トラックショーでも両社は展示ブースを並べ、連携の強さを印象づけていた。