調査・データ働き方改革関連法によって2024年4月から自動車運転業務の年間時間外労働が上限960時間に制限されるが、それに向けたトラック運送業界のアクションプラン(行動計画)が、21年度の中間目標を下回っていたことがわかった。労働時間短縮に向けた運送各社の努力を加速させる必要もありそうだ。
全日本トラック協会(全ト協、東京都新宿区)が18日に発表した「働き方改革モニタリング調査」の結果で明らかになった。
全ト協は、「物流の2024年問題」解決のために、ドライバーの時間外労働時間が年960時間超となるトラック運送事業者の割合を24年度にゼロ%にする目標を18年3月に策定した。段階的な中間目標も設定しており、21年度はその割合を25%としていた(22年度は20%、23年度は10%)。しかし、今回の調査で21年度の実績が判明。時間外労働年960時間超となるドライバーがいる事業者の割合は27.1%で、前年度から0.9ポイント改善したものの、中間目標の25%には届かなかった。
全ト協の担当者は「最終目標が達成できそうなのかそうでないのか、もう少し進展を見なければわからない。ただ、あまりにも改善が進まなければ、何らかの方策を考える必要はある」と話している。
モニタリング調査は、全ト協が会員企業1192社に郵送とインターネットで行い、回答があった727社分を集計した(集計率61.0%)。今回は21年10月時点の状況を22年1月に聞いた。
また、この調査ではドライバー以外の一般労働者についても同じ観点で調べている。時間外労働が規制時間数の年720時間超となる一般労働者がいる事業者の割合は、21年度は13.8%だった。規制時間数はドライバーとは違うが、適正化への取り組み面でドライバーが一般労働者に比べて遅れていることが示された形だ。同調査の年休取得についての項目でも、同じ傾向が見られた。