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ドローン同士の空中衝突を自動回避、実証実験成功

2022年6月3日 (金)

ロジスティクス物流分野でもドローンの利用が少しずつ広がっているが、常に課題となるのが安全性の確保だ。東日本高速道路(NEXCO東日本、東京都千代田区)は3日、先端技術の研究開発を手がけるFaroStar(ファーロスター、東京都新宿区)と共同で、ドローン同士の空中衝突を自動的に回避する実証実験を行ったと発表した。4回試して4回とも回避できたといい、関係者は自信を深めている。ドローンの本格的な活用を検討している物流関係者の期待感も高まりそうだ。

実証実験は5月18日から2日間、福島県南相馬市の常磐自動車道・南相馬鹿島サービスエリア「セデッテかしま」の東側に位置する森林で行った。国産のACSL製ドローンに、FaroStarが開発した衝突防止自動管制技術「AURORA」(オーロラ)を搭載。同機の自動飛行中に別のドローンをわざと接近させ、自動で衝突を避けられるか検証した。その結果、AURORA搭載ドローンは衝突可能性を検知してルートを一時変更し、4回の衝突実験(高度30メートルから50メートルまで、延長700メートルの飛行経路)すべてで衝突を回避した。

▲衝突実験で上空から撮影したセデッテかしま(出所:NEXCO東日本)

AURORAの技術は、航空機やドローンの飛行情報を取得し、そのデータをもとに飛行体同士が衝突する可能性を検知すると、回避に適したWP(ウェイポイント)をドローンに指定して回避させるものだ。WPは最初に設定しておく航路の通過ポイントのこと。衝突を回避できたとシステムが判定すると、再びドローンにルート変更を指示して次のWPに誘導し、最後は元のコースに復帰させる。

フライトプラン提出時に衝突しない飛行ルートを設定していても、例えば風で機体が流されるなど、上空の環境や機体に変化があれば衝突の危険性も生じてしまうが、AURORAではそのような事態にも対応できるという。

▲実証実験の様子