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「物流の2024年問題」、経営者の6割が影響懸念

2022年6月30日 (木)

(イメージ)

調査・データ総合人材サービスのパーソルホールディングスは29日、働き方改革法によりトラックドライバーの時間外労働規制が強化されることによる「物流の2024年問題」に関し、企業経営者や管理職を対象に行った調査の結果を発表した。「何らかの影響を受ける」との回答が6割に上った。2024年問題によって発生する課題としては「人材不足」「コスト増」「サービス・商品の値上げ」が多かった。

調査は、運輸業や郵便業のほか、周辺産業である製造、電気・ガス・熱供給・水道、卸売、小売業に勤務する男女1000人を対象に、ことし4月8日から11日にかけ、インターネット経由で行った。

調査結果によると、「2024年問題の事業への影響は」との問いに対して、「自社のみ影響を受ける」「自社も取引先も影響を受ける」「取引先のみ影響を受ける」の3つの回答が合わせて60.2%となり、6割の人が何らかの影響を警戒していることがわかった。企業規模が大きいほど「影響あり」の割合が高かった。

「今後発生する課題」については、「対応のためのコスト増」が36.9%と最多で、「人材不足」が30.7%で続いた。運輸・郵便業だけをみると、最多は「人材不足」の48.6%で、「コスト増」は36.4%で2位だった。荷主企業が属する卸売・小売業では「サービス・商品の値上げ」が25.9%となり、2番目に多かった。

「現在取り組んでいること」については、「働き方改革の推進」が32.6%でトップ、「人員の確保・育成」が22.9%でそれに続いた。「今後取り組む予定のこと」については「人員の確保・育成」が10.5%でトップだった。

同社は、トラックドライバーの時間外労働規制が強化されると、「デジタル活用や労働条件の改善、宅配・配送方法の見直しなどの抜本策をしなければ、サービス残業化や名ばかり管理職など、多くの『抜け道』を生むおそれがある」と指摘。サプライチェーンに関わる多くの産業がこの問題の影響を受けるとし、「業界全体を上げた対策が急務」と主張している。