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医薬品物流を可視化、三菱倉庫が新システム開始

2022年8月19日 (金)

メディカル三菱倉庫は18日、医薬品物流の過程で荷物の位置や温度、在庫などの情報をリアルタイムで可視化するデータプラットフォーム「ML Chain(エムエル・チェーン)」の利用を始めたと発表した。データ改ざんを防ぐブロックチェーンの技術も活用している。

医薬品物流を巡っては、従来以上に厳格な品質管理が求められており、同社はサプライチェーン上の関係事業者が一体となって、品質保証と安定供給を維持していく必要があると考えた。このプラットフォームシステムでは、医薬品の温度管理や位置情報などサプライチェーン上の重要情報を、クラウドコンピューターに保存・蓄積する。メーカーや医療従事者、物流会社などの関係者がいつでもどこからでも見ることができる。医薬品の状態の確認や在庫水準の適正化、安定供給の維持などに活用できる。

こうした情報を扱う上で、ブロックチェーン技術を使って改ざんなどを防ぎ、物流品質の向上を図る。ブロックチェーンは、情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して分散的に処理記録するデータベースの一種で、不正や改ざんへの対応力が高い。

三菱倉庫はエムエル・チェーンをまず、製薬企業の製造工場・物流センターから医薬品卸倉庫への配送までの物流に導入した。今後は、医薬品卸から病院・薬局、患者への配送にも利用を広げる計画だ。

(出所:三菱倉庫)

将来は、在宅医療が広がるにつれて患者宅直送型の新しい流通スキームが構築されると予測され、それへの支援も視野に入れてシステムを運用していく。流通に関わるさまざまな事業者が利用できる、汎用性の高いオープンプラットフォームを目指している。

また、エムエル・チェーンに蓄積されたさまざまなデータを応用すれば、業務プロセスの自動化・省人化や業務負担の軽減を図ることもできるという。