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物流施設なお不足、米C&Wの22年上期レポート

2022年8月31日 (水)

(イメージ)

調査・データ不動産総合サービスの米クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はこのほど、日本の物流施設マーケットについての2022年上半期のレポートを発表した。物流量全体が横ばいで推移しているのに対し、物流施設ストックはまだまだ少ないとしている。

レポートによると、今上半期の物流セクターに関しては、物価上昇が大きく影響し、貨物価格は前年同期比5.3%増となり、特に国際海運で67%増、航空貨物で85%増と大幅な増加となった。輸出額は8.8%増となったものの、通貨安や石油価格の高騰により輸入額が24.1%増となり、相殺された格好だ。企業収益は悪化が予想されている。

こうしたことで、消費者需要にリバウンド増はあるが、企業需要の低迷で相殺され、少なくとも2023年上半期までは物流量全体は横ばいで推移するとC&Wはみている。一方、国内の一人当たりの先進的物流施設ストックはまだまだ少なく、今後も多くの消費者がオンライン・ショッピングに移行すると予想されるため、大型マルチテナント物流施設の需要は下支えされていく見通しという。

地域的には、名古屋圏の先進的物流ストックが不足している。先進的物流施設の全物流施設に占める比率は、東京(15%)、大阪(8.6%)を下回り6%未満にとどまっている。今後2年間に計画されている大量供給で、空室率が15%前後まで上昇する可能性はあるが、24年以降までをみれば、大手EC事業者のテナント需要などに吸収されていくとC&Wはみている。