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RaaS参入へ米AIロボソフト総代理店に、住商

2022年9月30日 (金)

荷主住友商事は9月30日、米国のユニコーン企業のDexterity(デクステリティ)と、AI(人工知能)ロボティクスソフトウエアの日本向け総代理店契約を締結したと発表した。

ロボティクス・オートメーションを含めた次世代物流ビジネス・システム国内市場は、2025年に1兆円規模と予想されるなか、RaaS(ロボティクス・アズ・ア・サービス)事業への参入を通じて、荷物取扱量の急増に対して人手不足などから生じる「物流クライシス」の解決に貢献。国内の物流業界の効率化・高度化に取り組む、としている。

▲Dexterityのロボティクス製品(出所:住友商事)

デクステリティは2017年に創業。既存のハードウエアに組み合わせる独自のAI、コンピュータービジョン、制御技術を開発し、大手物流企業向けを中心に、これまで1万台超の台数を受注している。同社の技術は、従来の技術に比べ、高速や協調といった複雑な動作に対応でき、人間を介さずに工程を自動化できる強みが注目されている。

住友商事は、米国のコーポレートベンチャーキャピタルを通じて、20年にデクステリティへ出資している。今後は物流、小売りの子会社が抱える課題をヒアリングした上で、国内調達したハードウエアにデクステリティのソフトウエアを実装。26年までに1500台の販売目標に向け、11月から関東近郊にデモセンターを開設し、製品動作を体感できる展示を展開する予定。物流施設のSOSiLA(ソシラ)事業とも連携し、デクステリティのロボットアームなどを入居企業に提供していく。

日本では、10年に30億個だった国内の宅配便取扱個数は、20年には48億個にまで増加。Eコマース(電子商取引)伸長や新型コロナウイルス禍に伴う生活様式が変化して宅配ニーズが急速に膨らむ一方、人口減少や高齢化による労働力不足で、物流の効率化や倉庫内の高度化が求められている。しかし、ロボットを活用した効率化などの取り組みは、事前に決められた動きなどには対応できるものの、複雑な動作に課題があるため、依然として人的な作業工程が必要なのが現状だ。