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ドローン配送向け包括支援サービス提供、TOMPLA

2023年2月7日 (火)

▲ドローン配送実証の様子(出所:TOMPLA)

サービス・商品国内でドローン(無人航空機)配送の実装を手掛けるTOMPLA(トンプラ、新潟市中央区)は7日、ドローン配送事業の実現に必要な機能を包括したサービス「TOMPLA sky delivery system」の提供を2月から始めると発表した。配送専用ドローンや航路設計、運航者育成といったドローン配送関連ビジネスを計画する物流事業者や自治体などに対して、ワンストップで販売しドローン配送事業を支援する。

発表によると、同社はドローン配送サービスの商業化を目指しており、これまで主に都市地域でのサービス提供に向けて実証実験を展開してきた。こうした知見を生かして、今回手掛けるのは複雑なドローン配送の事業化に必要な機能を包括したプログラムだ。具体的には「航路設計・環境構築」「運航者育成」「機体・機材調達」といったパッケージを用意。顧客ニーズと現状を踏まえて最適なサービスを提供する。

すでにドローン配送サービスを実施している事業者にも対応する。ドローンスクール向けに、配送運航者を対象にした育成カリキュラムを提供するほか、配送用ドローン機体の提供やドローンを組み込んだ物流業務オペレーション設定なども提供する。

▲「TOMPLA sky delivery system」のパッケージメニュー

顧客は、地域物流や軽貨物輸送企業、ドローンスクールなどをはじめ、自動配送の実装やドローン配送実用化を目指す事業者などを想定している。

ドローン宅配の実用化、輸送モードの選択肢が増えることに意義がある

「ドローン宅配」というフレーズが今後、定着していくのだろうか。有人エリアでの目視外飛行(レベル4)の実現に向けた法整備の進ちょくを背景に、物流業界におけるドローンの実用化の機運が高まってきたのは間違いない。こうした動きを踏まえて、ドローンの各種技術の開発に注力する企業が相次いで出現しそうだ。

これまでもドローンを取り巻くプロジェクトに参入する事業者は存在しており、全国各地で自治体や企業などを巻き込んだ実証実験を繰り広げている。とはいえ、今回の法整備で一気に現実味を帯びそうなのが、宅配サービスを企図したドローン関連技術、つまり、商業ベースでのドローン配送の実現だ。

ドローンの物流用途と言えば、中山間地域をはじめとする「陸路では効率の悪い小口の荷物配送」を代替する手段としての期待が大きく、こうした活用を意識した実証が先行していた。法整備が進むことにより、ラストワンマイル配送の一翼を担えるだけの機能を確保できる可能性が見え始めたことから、今後の実用化に向けた動きを一気に加速させる道筋が生まれた。

もちろん、ラストワンマイル配送におけるトラックの完全な代替になる可能性は限りなく低いだろう。むしろ、今後も配送密度が高まることが予想されるなかで、輸送モードの選択肢を広げることに意義があるのだ。

ラストワンマイルと言えども、地域や荷物の種類、配送先などに応じて実に多様な形態が存在し得る。人手不足や環境負荷への対応策という観点からも、より良い手段を選べることが配送サービスの最適化を促す決め手になる。こうした文脈で考えると、ドローン宅配の実用化に向けた取り組みは、実に有意義な取り組みであることが分かる。(編集部・清水直樹)

■「TOMPLA sky delivery system」紹介動画

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