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郵船ロジ、米現法が小売向けFFサービス企業買収

2023年3月2日 (木)

M&A郵船ロジスティクスは2日、米法人Yusen Logisticsが3月1日付でフルフィルメント(FF)やトランスロードのサービスを提供するTaylored Services(TS)と、その傘下子会社を買収したと発表した。

TSをグループに組み込むことで米国西岸における倉庫面積は倍増し、全米では50%増となる。グローバルなネットワーク拡充を通じて、EC領域の業務全般をカバーするe-fulfilment事業を含めて、リテール産業の取り扱いを強化するのが狙い。

(出所:郵船ロジスティクス)

発表によると、TSは1992年に設立され、米国西岸を中心にディストリビューションセンターを展開。米国内に11の拠点を構え、リテール産業をはじめとする多種多様な顧客を持つ。

EC(電子商取引)、通販、店舗向け注文に対する梱包などの付加価値サービスやトレーラー、鉄道コンテナへの仕分け・詰め替えサービスなどを幅広く提供している。

「グローバルECビジネスのあり方」示す好例に

郵船ロジスティクスが米国西岸を中心に展開するフルフィルメント会社を買収する背景には、EC(電子商取引)の巨大市場である当地におけるビジネス参入で事業基盤をより強化したい思惑がありそうだ。

今後のさらなる拡大が期待されるECフルフィルメントサービス事業について、郵船ロジスティクスの持つネットワークや作業品質を武器に、より広範なエリアで展開することでグローバルでの存在感を高めていく考えだ。

ECビジネスは、輸配送におけるスピード感が重視される印象が強い。しかし、ECの急速な普及に伴って、その品質についても高い要求がなされるようになってきている。現場では、大量の商品を短時間で配達するビジネスモデルの精度をさらに磨くための戦いが続いている。

それを実現するには、一定以上の水準の技術を持ったスタッフと、それを運営する事業基盤が欠かせない。現場と運営サイドのタッグがしっかりと組めていないと、物流品質は確実に劣化して信用を失ってしまうからだ。

さらに、ECビジネスはより広いエリアでのビジネス展開が可能だ。ECは店舗や商圏といった既存の流通概念から脱却して国境をまたいだ商売で収益を積み上げていくことができるビジネスだ。海外にネットワークを広げておくことによる優位性は非常に高く、将来のビジネス拡大の原資となるからだ。

今回の買収は、国内の物流事業者によるグローバルでのECビジネスのあり方を示す好例になりそうだ。(編集部・清水直樹)

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LOGISTICS TODAY編集部
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