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寒冷地でのドローン運用ガイド、北海道がまとめ

2023年4月10日 (月)

▲ドローンに荷物を積み込む様子(出所:北海道)

ロジスティクス氷点下など積雪寒冷条件下でのドローン運用の注意喚起のため、北海道総合政策部次世代社会戦略局デジタルトランスフォーメーション推進課はこのほど、「北海道冬季ドローン飛行ガイドライン」をまとめ、道ホームページで公開した。国土交通省のドローン運用ガイドラインに従うだけでは対応できない、寒冷地でのドローン運用に関する注意点を実例などを用いてまとめている。

同課によると、冬の厳しい環境下ではバッテリーが消耗しやすく、着雪でプロペラが凍結するなどの課題があり、安定した運航が困難だという。道は寒冷地での通年でのドローン実装を促進するため、積雪寒冷条件下で物流やインフラ点検などさまざまな場面を想定して実証を行い、このほどのガイドラインを整備した。

運用上の注意点として、通常時に比べ、低温下では機体のバッテリーの挙動が安定しないことがあるとし、事前にバッテリーを屋内で保温しておくなど、冷やしすぎない工夫が必要だとしている。運用時にバッテリー温度が低い場合は、離陸前にホバリング状態で温度が上昇するまで待機させるなどの対策を提示している。

物流に関するオペレーション上の注意点としては、機体の遠隔制御を行う運航責任者は、PCでのモニタリングや操作の必要があることから室内での運用が望ましいとしている。また、適切な天候評価の必要性を指摘し、離発着地点と中間地点では天候が異なる場合も多いことから、気象情報の確認はもちろん、中間地点における観測などがあれば望ましいとしている。

▲カイロで送信機のタブレットを温めている様子

機種については、機体上の雪解けした水からショートを引き起こす可能性もあるため、防水性能を備えたものが望ましいとした。また、機体自体が低温に耐えたとしても、操縦側の送信端末が低温によってバッテリーの急激な電圧の低下を招くことがあるとし、断熱・保温対策が必要としている。

物流を想定した実証では、ドローンメーカーのACSL(東京都江戸川区)が開発した物流専用ドローン「エアートラック」など2機を使用。2機とも氷点下のなか大きな異常はなく稼働し、エアートラックに関しては片道7キロほどのルートを荷物を積んだ状態で安定して運航したという。

■北海道ホームページ「積雪寒冷条件下におけるドローン活用実証事業について」
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/dtf/drone/winter_demo.html

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LOGISTICS TODAY編集部
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