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日本の2030年対アジア貿易は230兆円規模、UPS

2023年5月17日 (水)

調査・データ国際輸送大手の米UPSはこのほど、アジア域内の貿易動向と市場分析をまとめ、そのなかで日本とアジアの主要11か国・地域との輸出入を合わせた貿易額は、2020年の7000億米ドル(96兆円)から30年の1兆7000億米ドル(232兆円)と倍以上になる可能性を示した。主要11か国・地域は韓国、中国、香港、台湾、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、オーストラリア。

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日本の対アジア貿易が拡大する要因として、新しい地域貿易協定、地域全体の中産階級の増加を挙げている。20年から30年の間に日本を含めたアジアの主要12か国・地域で新たに5億6700万人が中間層に加わり、地域全体の消費者層は15億人に達するとしている。

また、対アジア貿易の7割を小売、産業機械・自動車(IM&A)、ハイテク、ヘルスケアの4つの主要製品分野で占めるなか、IM&A分野は中国や韓国など経済規模の大きい地域間で成長を続け、ハイテク分野はアジア地域全体でデジタル化が進んでいる現況から今後の成長を最もけん引すると予想した。

貿易拡大を抑制する可能性がある要因として、日本の貿易事業者の回答に基づき障壁となるものを挙げた。障壁とは、関税などの懲罰的措置、統一された規格がない、労働力や技能の不足、通関手続きの複雑化、不十分なインフラ整備、中小・零細企業の海外進出率の低さ――の6つだが、これらは「貿易摩擦やサプライチェーンの変化により、政策や企業活動によってほとんど対処されていないのが現状」であると指摘している。

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また、アジア域内の貿易機会を生かすためには官民による取り組みだけでは不十分であり、サプライチェーンの利害関係者全体による積極的な関与が必要だと説いた。例えば、弾力性のあるサプライチェーンの構築、業界全体の国際基準の採用、残存する関税の撤廃や簡易化、中小企業の競争力を促進する地域貿易協定の交渉――などがこれにあたる。

今後アジア域内での貿易を行う日本企業が取るべき行動として、先進技術を中心とした総合的なデジタル化、弾力的な貿易ルート開拓によるサプライチェーンの多様化、企業間提携により中小・零細企業のサプライチェーンに組み込むこと――などを挙げた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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