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バス貨客混載の出荷体制構築、旭川の事業者が連携

2023年5月18日 (木)

ロジスティクスセイノーホールディングス(HD)は18日、旭川市内数社で構成する「道北集約出荷・地域配送改善プロジェクト(PJT)」と、旭川市江丹別町、同市内中心部を結ぶ唯一のバス路線を運行する道北バス(北海道旭川市)と連携し、集荷における共同配送の仕組みを構築し、江丹別地域で生産された地元産品の集荷および、路線バスへの積み付けを生産事業者自らが行い、貨客混載輸送にて出荷するプロジェクトを17日より開始した。

▲バスに貨客混載した商品の積載状況(出所:セイノーHD)

江丹別地域の事業者が連携し、地産の「江丹別の青いチーズ(ブルーチーズ)」などバス輸送用段ボール8箱、計50キロの荷物を生産者自身によって集約・梱包し、地元路線バスに貨客混載して市街地へ輸送するという、地域内輸送プロジェクトの実現となった。

この取り組みは、地域課題、物流業界課題、環境課題への対応としても注目されている。地域課題としては、地方路線バスの存廃が問題となっているが、今回のプロジェクトでは貨客混載輸送の実施により、既存バス路線の有効活用に寄与し、定期的な運賃収入増加も見込める。

物流業界課題としては、ドライバーの時間外労働規制が厳格化する2024年問題、ドライバー不足などの対応として、バスドライバーが拠点間の貨物輸送を兼任する形となると共に、集荷にかかる時間の大幅な短縮にもつながる。

また環境課題としては、既存バス路線の活用で輸送専用車両のCO2削減への解決策となる。このように、今回のプロジェクトは3つの課題への総合的な解決策として期待されている。

▲輸送イメージ(クリックして拡大)

現在、全国各地で試行されている貨客混載輸送の取り組みは、そのほとんどが「配達」を目的とした取り組みとなっている。このプロジェクトでは、出荷に関係する全員に業務効率改善、コスト削減などのメリットがある仕組みと持続的なインフラ作りのため、宅配事業者ではなく地元事業者が主体となり、「配達」ではなく「出荷」する仕組みを構築した。PJTでは物流業界内の調整を行ったセイノーHDとの協力体制で本プロジェクトを推進。この試みを通じて、地域課題、物流業界課題、環境課題の3つの課題解決に向け、今後はこの取り組みへの参加事業者の拡大や他地域への展開を目指すとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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