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パワーエックス、世界初・電気運搬船の詳細発表

2023年5月26日 (金)

ロジスティクス自然エネルギーの普及や蓄電・送電技術の開発事業を展開するパワーエックス(東京都港区)は25日、電気で動き、搭載する蓄電池で電力を海上輸送する「電気運搬船」の初号船の詳細設計を愛媛県今治市で開催中の国際海事展「バリシップ」で発表した。世界初の電気運搬船 は、2025年の完成を目指しており、2026年より国内外で実証実験を予定している。 また、電気運搬船を活用した海上送電事業を推進するための新会社、「海上パワーグリッド」を2023年の第3四半期中に設立することも発表。

▲初号船『X』イメージ(出所:パワーエックス)

同社は、電気運搬船の所有、国内外への電気運搬船の販売および海上送電のオペレーションを担当し、国内外の事業パートナーを募集する。さらに、海上送電という新しい概念やカーボンニュートラルポートの実現に向けて、九州電力(福岡市)および横浜市港湾局と連携し、再生可能エネルギーを電気運搬船を用いて送電する実証実験について共同で検討するため、それぞれ覚書と連携協定書を締結した。

26年から国内外の実証実験を行う予定の電気推進船の初号船は、船名を「X」とし、船長140メートル、合計で241ミリワットパワーの容量となる96個のコンテナ型船舶用電池を搭載する。船に搭載する蓄電池は、安全性と長寿命性能に配慮したパワーエックス独自設計のモジュールで、今後のさらなる船の大型化にも対応できるバッテリーシステムとなっている他、専用のガス排出機能・消火装置を備え、バッテリーシステムや充電コントローラー、電力変換システムなどをリアルタイムにモニタリングすることで安全性を担保。すべての蓄電池は、様々な国際船級認証や 適用規格に準拠した製品として、岡山県内で自社生産し、24年中の出荷を目指す。

電気運搬船では余剰電力を電池に貯めることや、海上輸送によって再生可能エネルギーの供給地と、都市部など電力需要地を結ぶことができるなど、海を越えて新たな送電ネットワークを構築し、再生可能エネルギーの貯蔵・供給・利用を推進することが可能とし、将来的には洋上風力発電所から陸地への長距離海上輸送や、海底送電ケーブルの敷設が困難だった地域との電力輸送ルートの開設など、洋上風力にまつわる様々な課題解決にも貢献できるとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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