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トラック運送の価格転嫁は最下位、半数が据え置き

2023年6月20日 (火)

調査・データ中小企業庁が20日に発表した、ことし3月の価格交渉促進月間に関するフォローアップ調査の結果によると、27業種中、価格転嫁が最も進んでいないのは「トラック運送」で、2022年10月からことし3月にかけ、コスト増に対する価格転嫁率が最も低かった。また、コストが上昇しているにも関わらず、価格が据え置かれているケースも半数近くあった。

調査は21年9月から、同庁が価格交渉促進月間と定める3月と9月に実施している。22年9月に比べ、ことし3月の調査における発注側が価格転嫁に応じた率、受注側が価格転嫁を要請して応じてもらえた率はいずれも全業種としては上昇したものの、トラック運送の転嫁率は低下しており、過去2回の調査と同様、全業種中で最下位となった。価格交渉に応じた回数を評価する指標では、1ランク上がって26番目となった。

トラック運送事業者に対する同期間の調査では、コストが上昇しているなか、「価格が据え置かれている」のは半数に近い48.3%だった。減額されたケースも3%あった。次いで多かったのが「1割から3割」で23.4%、「満額転嫁」されている割合は6.4%だった。

同期間の価格交渉の状況を見ると、「発注者側に協議を申し入れ、話し合いに応じてもらえた」のは40%、「発注者側から声掛けがあり、話し合いが行われた」のが11.3%だった。一方で、「発注者側に協議を申し入れたが、協議にすら応じてもらえなかった」のは14%、「発注側から協議の余地なく一方的に取引価格を減額された」のも3.4%いた。また、コスト上昇分を自社で吸収できない場合でも「取引中止を恐れ、自社から協議を申し入れなかった」のは14.3%と、荷主に対する立場の弱さが浮き彫りになっている。

下請けGメン(取引調査員)が実施したヒアリングに対し、トラック運送事業者からは「価格交渉の希望を取引先に伝えているが、取引先の顧客である荷主の意向が強く、交渉が実現しない」「2年前から文書で価格交渉を依頼しているが、未だに交渉の場を設けてもらえていない」「価格アップを要望しても応じてもらえない、交渉しても『親会社の意向』の一点張り」──などの悲観的な声が聞かれた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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