調査・データ中小企業庁は28日、ことし9月の価格交渉促進月間後に実施した、受注企業を対象とした価格交渉や価格転嫁状況の調査結果を発表した。この調査は3月と9月の促進月間後に年2回行っており、今回は3万5175社が回答した。前回のことし3月の調査と比較し、全体的には価格交渉が改善され発注企業の意識向上が見られており、価格転嫁についてもまったく転嫁できていない企業は減少するなど、価格転嫁の裾野が広がりつつあるとしている。
トラック運送では価格交渉が改善され、27業種での順位では前回の26位から22位に上昇。一方で、価格転嫁では燃料代などの転嫁が進んだが、コスト増に対する転嫁率を表す価格転嫁率は4.7ポイント上昇し、前回同様に最低の27位だった。また、交渉自体には応じたものの、転嫁にまったく応じなかった企業の割合は一番高く29.2%。交渉の席につく機会は増えたものの、適切な価格転嫁までには至っていない現状が浮かび上がっている。
全体的に見られる傾向として、転嫁率が高い業種ほどコストにおける原材料費の比率が高く、労務費の比率が低かった。トラック運送業は逆のコスト構造となっており、労務費が41.1%と最も比率が高く、エネルギー費が25.6%、原材料費が19.4%となっている。同庁はこれを受け、価格転嫁促進に向けて公正取引委員会と連携し、労務費の指針を11月中に公表。これを交渉、転嫁に活用されるよう経済団体を通じて指針の周知を行う。
また、発注企業との交渉と転嫁の状況を評価した企業リストを2024年1月に公表し、評価が低い発注企業の経営陣には事業所管大臣名での指導、助言を行う。
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