荷主新日本製鉄(新日鉄)は19日、インドの自動車用鋼管需要を確実に捕捉するため、新たに自動車用鋼管事業を展開すると発表した。新日鉄の連結子会社で、新日鉄が60.5%を出資するタイのサイアム・ニッポン・スチール・パイプ(SNP)が主体となり、インド北部ラジャスタン州に、自動二輪・四輪用電縫鋼管の製造・販売体制を構築する。
インドの自動車生産は、2009年実績で二輪が約1000万台、四輪が約240万台であり、今後も経済成長を背景とした伸長が見込まれている。これに伴いインドでは日系自動車メーカー各社が能力増強を進めており、同社が競争力を持つミドル・ハイグレード分野の鋼管需要が急速に拡大することが想定される。
新日鉄はタイのSNPで確立した、海外でも他に類を見ない素材・造管から伸管・熱処理・部品加工までの”一貫製造モデル”を、インドネシア・ニッポン・スチール・パイプ(07年)、中国無錫日鉄(11年)にも展開しており、インドでも一貫製造モデルを展開し、急拡大が見込まれる現地の自動車用鋼管の需要を確実に獲得し、利益成長を図る。