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政府が物流革新緊急パッケージ発表、経済対策反映

2023年10月6日 (金)

行政・団体物流危機の端緒となる「2024年問題」への対応で、政府内で検討されていた「物流革新緊急パッケージ」が6日、発表された。10月中をめどに取りまとめられる総合経済対策に反映するための、「緊急パッケージ」とし、6月に発表された「物流改革に向けた政策パッケージ」が総括的のものであったのに比べて、「即効性の高い取り組み」(岸田文雄首相)に絞り込んだ内容とした。同日開催された関係閣僚会議でまとめた。

▲関係閣僚会議で発言する岸田文雄首相(左から2人目、出所:内閣官房)

具体的なポイントとして、「置き配や、ゆとりある配送を選んだ人にポイントを付与する実証事業の実施」「運送業者への荷主の不当な要求などに関する『集中監視月間』を創設」「適正な運賃確保や賃上げに向けた関連法案を次期通常国会に提出」「トラック輸送からの転換を進め、鉄道や船舶の輸送量を今後10年でそれぞれ倍増」といった事項が打ち出されている。

6月の「物流改革に向けた政策パッケージ」においては、「荷主・消費者の行動変容」について、再配達率の低下に向けては消費者の行動変容を促すインセンティブの付与という表現がとられていたが、今回は「ポイントを付与」という形でより具体的な意識変容を図る狙いと見られる。今後は実証実験を経て具体的な仕組みを構築し、再配達率を現状の12%から、2024年度には6%に削減することを目指す。

また、6月の施策発表を受けて、運送業者への荷主の不当な要求を監視する「トラックGメン」が創設され、10月からは高速道路パーキングエリアにおける聞き取り調査を開始するなど、その活動を具体化していた。緊急パッケージ発表を契機に、11月からは荷主に対する働きかけをより強化し、集中監視月間を業界内外に周知することで、さらなる意識付けや、監視体制の実効性をアピールする目的と思われる。

適正な運賃確保や賃上げに向けては、「標準的な運賃」と「標準運送約款」の見直しに向けて、8月に設置された「標準的な運賃・標準運送約款の見直しに向けた検討会」の取り組みが反映され、ドライバーの賃上げに充てる原資を確保するための適正運賃の収受に向けた具体的な法令の策定が進められる予定で、年内には物価動向や荷待ち・荷役の対価などを反映させた標準的な運賃の引き上げを行うとした。また、荷役現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化や、EV(電気自動車)トラック、モーダルシフトへの転換促進、自動運転、コンテナ大型化の推進、港湾物流手続き電子化の推進など、総合経済対策に取り込む意向だ。

トラックGメン、集中監視月間で全事業者に調査へ

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