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政府、来週にも物流政策パッケージとりまとめへ

2023年9月28日 (木)

(イメージ)

行政・団体政府は来週にも関係閣僚会議を開き、物流の2024年問題への対応を柱とした「物流革新緊急パッケージ」をとりまとめる。10月に向けて策定する経済対策にも盛り込む考えで、24年4月の”タイムリミット”をにらみ、荷主と消費者の行動変容や「標準的な運賃」の拡充・徹底など、政府による対策が本格化しそうだ。

岸田首相が物流革新緊急パッケージと表現したこの物流政策群は、6月2日の関係閣僚会議で示された「物流革新に向けた政策パッケージ」を示すもので、24年初頭の通常国会で法制化を含む規制的措置の具体化を目指している。

24年問題で何が変わるのか

24年問題は、トラックドライバーの年間所定外総労働時間を960時間以内に制限することで、何も対策を講じなければ24年時点で14%、30年には34%もの輸送力が足りなくなり、その影響で物流がさらに停滞する懸念を指すもの。

政府は荷主、物流企業、消費者が協力して物流を支えるための環境整備として、(1)商慣行の見直し(2)物流の効率化(3)荷主・消費者の行動変容——について、抜本的な対策を政策パッケージとして策定する。

これらの政策群を進めることで、荷待ち・荷役時間の改善、積載効率の向上、モーダルシフト、再配達削減を促し、何もしない場合に足りなくなる「14.3%分」の輸送力を補えるようにする。30年度分の「34%」への対応についても、本年度中に中長期計画を定める方針。

(クリックで拡大、出所:国土交通省)

政策パッケージで見直しの対象となるもの

このうち商慣行の見直しでは、荷待ち、荷役時間の削減など荷主・物流事業者間の物流負荷の軽減に向けた規制的措置などを導入し、「3分の1ルール」や短いリードタイムといった納品期限、「物流コスト込み取引価格」の見直しがターゲットで、物流産業の多重下請構造の是正に向けた規制的措置の導入、荷主・元請の監視の強化、結果の公表、継続的なフォロー、トラックGメンの創設、「物流の担い手」の賃金水準向上に向けた適正運賃収受・価格転嫁円滑化、トラックの「標準的な運賃」制度の拡充・徹底——など、荷主を巻き込む政策群によって、物流業界構造の是正を図る。

また、物流の効率化では、バース予約システム、フォークリフト導入、自動化・機械化など即効性のある設備投資の促進、鉄道・内航海運の輸送力増強によるモーダルシフト、車両・船舶・物流施設・港湾の脱炭素化など「物流GX」の推進、自動運転、ドローン物流、自動配送ロボット、港湾AIターミナル、サイバーポート、フィジカルインターネットといった「物流DX」の推進、パレットやコンテナの規格統一化、中継輸送を含む物流拠点関連の機能強化、時速80キロとなっている高速道路のトラック速度規制の引き上げ、軽トラック事業の適正運営や輸送の安全確保、女性や若者などの多様な人材の活用・育成——など、幅広い分野で取り組みを強化する。

さらに「荷主・消費者の行動変容」として、(1)荷主の経営者層の意識改革・行動変容を促す規制的措置などの導入(2)荷主・物流事業者の物流改善を評価・公表する仕組みの創設(3)消費者の意識改革・行動変容を促す取組み(4)再配達率の「半減」に向けた再配達削減の取り組み——など、社会全体で物流の変革を支える仕組みづくりを打ち出す。

物流改革の挑戦止めることなく、さらに意識改革へ

待機時間削減のカギ握る、バース予約システムの今

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