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クーポンマガジン配布で威力を発揮する軽貨物/ドライバー日誌第39回

2023年10月27日 (金)

荷主いわゆるラストワンマイルのイメージが強い軽貨物サービス。しかし、現実には荷物の搬送にとどまらず、さまざまな領域のビジネスを担う存在になっている。企業オフィスやコンビニエンスストアなどに置かれている月間の無料クーポンマガジンの配布・設置業務もその一例だ。

(イメージ)

私が業務を受託している、ある運送関連企業から打診された案件だった。2日間で100社ほどの企業や医院と、30か所程度のコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗を対象に、月間の無料クーポンマガジンを配布・設置する。1か所につき2部だけ配布する場合もあれば、100部以上を一気に設置することもある。要するに、130か所程度の訪問先に冊子を置く仕事なのだ。

業務は大きく2種類に分けることができる。まずは、企業や医院などの事業所へ個別に配布するものだ。配布先ごとにビニールで小分けして、決まった部数と伝票を入れる。それを各配布先の営業時間内に担当者に手渡す。

注意すべきは、昼休憩などで受け付けてもらえない時間帯があることだ。特に医院の場合は、午前の診察が終わると夕方まで無人になるケースも少なくない。こうした事情を認識せずに配布ルートを設定してしまうと、時間や輸送距離のロスが発生するばかりか、2日間のうちに配布できない事態にもなりかねない。

(イメージ)

一方で、コンビニエンスストアやスーパーマーケットといった店舗への設置業務は、やり方が異なる。店舗ごとに決められた部数に従って、店内の指定場所に置かれたラックに冊子に差し込んでいく。店舗だけでなく、JRの駅構内にある冊子ラックに設置する場合もある。企業オフィスなどへの配布と異なり、不特定多数を対象にしているのが特徴だ。

こうした業務は、主要駅の周辺など都市部を回るケースが多い。そのため、軽バンでの配送が有効だ。軽貨物が威力を発揮するのは、こうした事情に加えて、積み荷スペースが広くこうした冊子を運ぶのに適しているからだ。(つづく)

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