都市部は｢足｣で集中的に回る／ドライバー日誌第40回

話題コンビニエンスストアなどで見かける、月間の無料クーポンマガジン。こうした冊子の設置を担っているのが、軽貨物ドライバーであることは、意外にも知られていないのではないだろうか。私も軽貨物の仕事を始めるまでは、こうした事情を把握していなかった。

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2日間の日程で設定された、クーポンマガジンの配布・設置業務。拠点となる大阪府北部の物流センターでは、まず企業や医院に配布する冊子の仕分け作業に取り掛かった。事前に届いていた配布先リストには、商号と住所、連絡先、担当者の氏名、部数、特記事項が明示されている。それに従って、部数を確認して袋に詰める。納品伝票も同封する。さらに、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗での設置に必要な冊子も別途準備して、大きなコンテナに入れておく。

こうした配布・設置準備が終了すると、続いて訪問先のルートを設定する。ここで、店舗の営業時間を反映したコース巡回を意識しなければならない。メーカーの場合は、昼休憩である正午から午後1時を避ける。医院の場合は午前中に回るのが無難だ。さらに、定休日の有無についても、特記事項などを参考にしながら注意しておく必要があるのだ。

初日は、まず市街地のオフィスを回る。通行車両が多くなる時間帯を少しでも回避するため、市街地は早めに回っておくのが鉄則だからだ。駅前通りは駐車がしにくいエリアだが、そこはわずかなタイミングを見定めて路肩に止める。せっかく駐車スペースを確保したのだから、1か所だけを回るのはもったいない。5か所くらいは一気に配布したいところだ。幸運にも、市街地での配布先はある程度エリアが集中しているので、そんなに骨の折れる作業ではない。ここは軽バンを拠点に「足」で稼ぐところだ。（つづく）