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冊子配布業務で実感する「使命感」/ドライバー日誌第41回

2023年11月9日 (木)

話題軽貨物による月間の無料クーポンマガジンの配布・設置業務。初日は、まず市街地から集中的に巡回することにした。混雑を避けるために午前中の早い時間帯で配り終える作戦だ。

(イメージ)

生命保険会社や金融機関などのオフィスでは、従業員へのサービスとして、こうしたクーポンマガジンを定期的に取り寄せているところが多い。こうしたオフィスは市街地に集まる傾向があり、結果として一気に配布するには絶好のロケーションになっているというわけだ。

市街地で30か所程度を回ることができた。その後は、郊外の配布先が中心になってくる。こうしてクーポンマガジンを配布する仕事をしていると、初めて見えてくる現実がある。個人経営の事務所でも、従業員の就業環境確保の意味合いなのか、こうした冊子の定期配送を契約しているところが案外多いことに気付くのだ。

郊外には、小さなしゃれた事務所で数人が働いている事業者が点在している。そこに2部だけ配布するという事例が実に多いのだ。大阪府北部という土地柄もあるのだろうが、こうした企業がよりよい社会を支えているのだろうかと想像すると、こうしたクーポンマガジンの配布業務に対する「使命感」もより高まる。さらに意義のある仕事に思えてくるから不思議だ。

初日はこうしたオフィス向け配布とともに、店舗向け設置業務を完了させる計画を立てていた。店舗ごとに指定された部数をラックに収める仕事だが、前月号の冊子の回収も忘れてはならない。その残部数で、その店舗の顧客が抱く冊子への「関心度」を判断できる。残部数は店舗によって大きな差があり、全く残っていない場合もあれば、指定部数の半分近くが残っていることもある。

ラックの設置場所にもよるのだろうが、設置時には「クーポンマガジンを設置しました」とわざと来店客に聞こえる声で店員に伝えることも、重要な施策であると先輩ドライバーから教えられた。そんなノウハウも、配送ドライバーには求められるのだ。(つづく)

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