環境・CSR三菱化学、日本フルハーフなど3社は26日、共同で太陽光発電を利用したトラック用アイドリングストップクーラーシステム「i-Coolソーラー」を開発したと発表した。
アイ・シー・エルが5月24日に発売した「i-Cool」をベースに開発した。i-Coolは、走行中に充電した車載バッテリーで電動コンプレッサーを稼働させることにより、エンジンを止めた状態でも運転室内の冷房ができるトラック用アイドリングストップクーラー。
満充電のバッテリーであれば夏季昼間に5-7時間連続して冷房ができ、運転手の労働環境改善、アイドリングストップによる燃費削減や騒音低減に効果があるとされる。
i-Coolソーラーは、アイ・シー・エルのi-Coolと組み合わせて、三菱化学の太陽電池パネルを日本フルハーフの専用架台でトラック荷台上面に実装し、太陽光発電を利用して冷房する。
停車中に、アイドリングをせずi-Coolソーラーで冷房することで、停車時間1時間当たり約1.8リットルの軽油消費を削減でき、走行中に既設エアコンによる冷房と併用することで、約1%の軽油消費を削減できる。こうした削減効果は年間で1台につき約1500リットルの軽油削減につながるという。
また、バッテリーを常時満充電に近い状態に維持できるため、ウィング開閉やテールゲート昇降など、バッテリー電力による荷役装置の稼動を安定的に行える。バッテリーの過放電を低減し、バッテリーの長寿命化にもつながる。
今回の3社の共同開発は、三菱化学の実験による知見をベースに、システム設計や詳細な効果測定を行い、実用化に向け、いっそうの前進を図るもので、今後3社はさらに実証実験と必要な仕様改善を進め、2012年春を目標に発売開始する計画。