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首都圏を配送エリアにおさめるLandport戸田

駅近物件は採用にも財務にも好立地!?

2024年5月9日 (木)

▲Landport戸田

▲都市開発第二事業本部の篠大樹氏

話題EC(電子商取引)の普及もあり、大消費地である首都圏では物流拠点の開発が続いている。野村不動産が埼玉県戸田市に開発した「Landport(ランドポート)戸田」もそうした物件の1つ。都心ターミナル駅周辺への配送にも便利な立地なことはもちろんだが、そのほかにも野村不動産ならではのアイデアを盛り込んだ物流センターとして誕生した。開発の経緯や狙いなどを、野村不動産・都市開発第二事業本部の篠大樹氏に聞いた。

戸田からなら、首都圏商業地に30分で配送可能

Landport戸田は外環自動車の内側に立地する都市型の物流拠点。戸田南インターチェンジ(IC)まで3.7キロ、中台ICまで4.1キロと交通が至便な物件。国道17号線まではわずか300メートルで、一般道でもすぐに東京に入ることができる。山手線の駅までの距離も東京駅まで19キロ、新宿まで15キロ、池袋まで10キロとなっており、すべて30分で配送が可能だという。山手線沿線のターミナル駅周辺の店舗への配送拠点として好適な立地といえる。

▲北北東上空から臨むLandport戸田。写真上に見える菖蒲川のさらに向こう側300メートルには荒川が流れ、渡れば東京・板橋区というロケーション

レイアウトしやすく自動化しやすい大空間

Landport戸田のフロアには固定の壁がなく、区画はすべてシャッターで区切る設計。そのため、賃貸した空間をロスなく利用することができるだけでなく、大きな空間を自由にレイアウトすることができる。自動倉庫を導入する際も、壁の制約を受けずに配置できるため、導入できる自動化ソリューションの選択肢の幅も広くなるという利便性がある。SKUが多く、自動化による効率化、省人化の効果が表れやすい業種では、特にメリットを感じることができる設計といえそうだ。


▲柱の間は固定された壁はなく、シャッターで仕切る構造。荷物用エレベーターは東西にそれぞれ2基設置。


▲(左)1階、中央の天井は梁の幅を広く取ってあり、ここに開口部を作ってテナント工事で垂直搬送機を追加することができる。(右)2階の床、1階の開口部はここに通じることになる。

生鮮品を扱える断熱フロアを完備

アパレルの配送に便利なだけでなく、「飲食店、小売店向け配送、食品の流通にも最適な造り」(野村不動産・篠大樹氏)になっているのが1階のフロア。1階の床はあらかじめ断熱加工がされているので、チルド食品などの保管を行う際にも床上げ工事をすることなくスムーズに使用することができる。追加の床断熱工事は不要となり、冷蔵品倉庫として利用するにあたり、コスト・期間などを圧縮することも可能だ。

▲1階の床は断熱になっているので、定温・低温倉庫としての利用が可能

1都2県をカバーするECの拠点に好適な戸田

戸田エリアは5000坪(1万7000平方メートル)以下の小規模な倉庫が多いエリアだが、近年は戸田公園駅の西側で延床面積8万6950平方メートルの倉庫の稼働が開始されるなど、都心への大量配送の拠点として新たな展開を見せている。埼玉県内や荒川を渡ってすぐの都内、また千葉県の松戸・柏エリアへのアクセスも良く、住宅密集地への配送が多いECにも至便の立地といえる。

現在の日本のEC化率は9%と世界平均の18%からみるとまだまだの数字だが、アパレルに関してはすでに20%に及んでいる。ECの普及はまだまだ進むと考えられ、首都圏をカバーする物流センターの需要は今後も増していくと見られる。もちろん伸長著しいECだけでなく、これらのエリアに多店舗を展開しているスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアのセンターとしての運用にも最適な立地となっている。

こうしたECや首都圏配送への需要の高まりを背景に、美女木を中心としたこのエリアは、この記事を執筆している2024年4月以降も大規模施設の開発が目白押し。そうした他の物件と比べても、この地域の大規模物流センターとしては、Landport戸田は最も東京寄りの物件であり、大消費地に足回りのよい輸配送が可能な物件といえる。

▲東京駅、池袋駅、新宿駅などのターミナル駅も配送30分圏内(クリックで拡大)

雇用に有利な駅近物件

この拠点の立地の良さは輸送面だけでなく、求人面にもある。Landport戸田が建つ戸田市の人口は14万2000人余りで、労働人口は9万8000人。最寄りのJR埼京線・戸田公園駅周辺は住環境としても良い立地のため周辺にはマンションも多く、近接した住宅街からの雇用も期待できる。物件の5キロ圏内だけに限っても63万人の労働人口を抱えるエリアとなっており、さらに10キロ圏内に243万人と非常に多く、草加エリアが5キロ圏内で38万9000人であることを考えると数値だけで見ても、雇用確保の面で肥沃(ひよく)な土壌があると言えるだろう。

また、戸田公園駅からは徒歩13分と近く、通勤しやすい立地な上、駅との間には飲食店やスーパーなどもあり、仕事帰りの食事や買い物もしやすく、電車通勤の従業員から見ても働きやすい環境に囲まれている。人材確保については、Landport公式サイトでの倉庫スタッフ募集やタイミー、LINEスキマニなどの人材サービスへの初月2か月無料掲載など、Landport側からのサポートも手厚く用意されているという。

戸田は「輸配送」「求人」だけでなく「財務」にも好立地!?

事業所税は人口30万人以上の都市が、企業の業績に関わりなく一定の規模以上の事業所に課す地方税。しかし、「戸田市は事業所税が非課税のエリア。ランニングコストとなるため、長く事業所を開いているほど、大きな差」(篠氏)になっていく。戸田市の近隣のエリアでは、埼玉県のさいたま市、越谷市、川口市、東京都23区などが課税対象エリアとなる。

事業所税は1平方メートル当たり600円と、従業員の給与総額の0.25%の合計が課税額となる。これをLandport戸田の対象床面積5万5000平方メートルと、想定される従業員数200人として計算してみると、課税エリアでは年間3400万円の事業所税がかかることになる。坪単価にすると月額170円ほど安くなる計算だ。課税地域との差は賃借する期間が長くなればなるほど大きくなり、幹線道路へのアクセスなど似たような条件であっても、経営上は大きな差異を生む条件といえそうだ。

▲スタッフ用のカフェテリアは同時に200人の利用が可能

そのほかにも、地元自治体と防災協定を締結。備蓄品を備えるほか、大人数の避難者を収容できるよう、カフェスペースを1か所に集約して大空間を設けるなど、地域貢献を目指した拠点づくりを行っている。屋上には非常用発電設備を備えるなど、防災や地域の貢献というだけでなく、いざという時のBCPも万全となっている。

首都圏に近い拠点はほしいけれど、なかなか人材の確保が難しい昨今。Landport戸田は、立地と人材の面でのアドバンテージがある物件といえるのではないだろうか。

「Landport戸田」概要

所在地:埼玉県戸田市川岸2-2-50
敷地面積:2万7872平方メートル
延床面積:6万2360平方メートル
構造:RC+S造、地上4階建て、耐震構造
倉庫:床荷重1.5t/m2、梁下有効高5.5メートル以上
交通:首都高・戸田南ICから3.7キロ、中台ICから4.1キロ
完成:2024年1月
https://www.nomura-landport.com