調査・データM&A情報を扱うメディア「OnlineM&A Online」を運営するストライク(東京都千代田区)は10日、ことし9月のM&A件数(適時開示ベース)を公表した。115件と前年同月の77件を大幅に上回り、9月単月では過去10年で最多となった。取引額も前年同月比2.27倍の7538億円にのぼった。
同社によると、グループ内再編を除く、経営権の移転を伴うM&Aの件数は、1-9月の累計で889件に達し、前年同期に比べ142件増加した。16年ぶりに1000件の大台を超えた前年を大きく上回るペースで推移している。
海外企業が絡むクロスボーダー案件も好調で、1-9月の累計は167件。このうち日系企業が外資から買収するアウトバウンドが昨年同期に比べ21件増えて115件となり、積極的に海外進出を図る日系企業の姿勢が目立った。外資企業が日系企業を買収するインバウンドは年前同期比3件増の52件だった。
9月単月の案件で注目されるのは外食・フードサービス業界で、すかいらーくホールディングスやクリエイトレストランホールディングス、コメダホールディングス、ワイエスフード、鉄人化ホールディングスが買収案件を発表した。1-9月の累計は23件に到達し、早くも昨年1年間の24件に迫っている。
外食・フードサービス業界は、コロナ禍の影響を受け、2020年に19件、2021年に18件と件数が落ち込んだが、ことしは大手による買収が活発化している。
9月の大型案件としては、不動産開発を手掛けるヒューリックが同業のレーサムをTOBで子会社化したのが、最も金額が大きくおよそ1735億円にのぼった。
また、総合物流のトランコムはベインキャピタルと組んで、MBOを実施。909億円をかけて自社の株式を非公開化した。背景にあるのは、ドライバーにも長時間労働の上限規制が適用されたことによる物流の2024年問題で、ドライバー不足とそれにともなう人件費の上昇、荷主によるサプライチェーンの見直しなどに対応するため、株式を非公開化して、事業の再構築を進めることにした。
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