M&A日本曹達(東京都千代田区)と、次世代有機EL材料開発を手掛ける九州大学発のスタートアップKyulux(福岡市西区)は20日、次世代有機EL発光材料の熱活性化遅延蛍光材料(TADF)の量産体制構築に向けて、今年10月に資本業務提携契約を結んだと発表した。日本曹達はKyuluxに資本参加し、世界初のTADFの量産と安定供給体制の構築を目指す。
有機ELディスプレイは液晶に代わるディスプレイとして急成長が続いているが、今後より一層の高性能化と低消費電力化が求められている。Kyuluxが開発するTADFはレアメタルを一切使用しない環境負荷低減型の新たな材料で、TADFを用いた独自の有機EL発光技術Hyperfluorescenceは高効率と高色純度、長寿命、低コストを同時に実現する究極の発光技術として期待されている。
両社は2020年1月に共同開発契約を結び、TADFの生産ノウハウの確立を目標に、中間体に関する研究開発に取り組んできたが、今後の量産開始を見据え、さらなる連携を図ることになった。
今後、日本曹達は量産体制確立に向けたプロセス開発や設備投資を行い、Kyuluxは日本曹達の量産体制構築を技術面から支援する。これによって、高品質で安定したTADFのサプライチェーンを構築し、より一層の性能向上と販売強化を目指す。
Kyuluxは「今回の提携が有機EL業界への本格参入の大きな一歩になる」と期待を寄せている。
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